成人学生の国民年金加入が任意だった時期に加入しないまま障害を負った大阪、兵庫、奈良の3府県の男女計10人が、障害基礎年金を受給できないのは違憲として、不支給決定取り消しなどを国側に求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は17日、原告の上告を棄却した。原告敗訴の1、2審判決が確定し、一連の集団訴訟は終結した。
学生無年金訴訟は2001年以降、全国9地裁で約30人が提訴。大半は請求が退けられたが、3人については個別の病気の事情から受給が認められて勝訴が確定した。東京など3地裁では「法の下の平等に反し違憲」とする判決も出たが、高裁ではいずれも合憲の逆転判断が示され、最高裁でも確定。今回が最後の判決だった。
1991年まで20歳以上の学生だけを強制加入とせず、救済措置を取らなかったことの是非が争点で、近藤裁判長は、立法府の広い裁量を認めたこれまでの判決を踏まえ「憲法に反しないことは明らか」と判断した。