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国連:イスラエルのガザ攻撃非難の調査報告書

 【エルサレム前田英司】国連は5日、先のイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区攻撃について、イスラエルが国連職員や避難民保護の責務を十分果たさず、国連施設を「意図的」に攻撃したなどと厳しく非難する調査報告書をまとめた。これに対し、イスラエルは「報告内容は偏向している」と猛反発した。

 調査は国連の潘基文(バンギムン)事務総長の指示で実施。一連の攻撃中に国連施設や関係者が被害を受けた9件の実態を精査し、うち7件でイスラエル側の非を追及した。また、同国がこれら自軍の攻撃をイスラム原理主義組織ハマスなどへの「反撃」だったと主張しているのに対し、「国連施設の敷地内からの軍事行動はなかった」と反論した。

 具体的には、国連が運営するガザ市の小学校で1月5日、イスラエル軍のミサイル攻撃でパレスチナ人男性3人が死亡した事件について、「住民が避難先を求めて学校に集まっていたことは容易に把握できた」と指摘。「国連施設を直接かつ意図的に攻撃した」と批判した。

 また、燃料貯蔵庫のあるガザ市の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部に1月15日、発火性の強い「白リン弾」が撃ち込まれた事件については「重大な過失」と一蹴(いっしゅう)した。

 これに対し、イスラエル国防省は声明を発表して「イスラエル兵はパレスチナ市民を巻き込まないよう最大限努力をした」と反論する一方、国連施設を意図的に狙ったことはないと強調した。外務省も「国連の調査報告は偏向している。イスラエルが(ガザからのロケット弾)攻撃にさらされてきたことを無視している」と非難した。

毎日新聞 2009年5月7日 21時04分

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