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ダンスの海へ〜ダンス・バレエの備忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2009-05-08

[]ボリショイ劇場「椿姫」新国立劇場バレエ団主役決定

新国立劇場バレエ団がこの9月に2度目の海外公演としてロシア・ボリショイ劇場で『牧阿佐美の椿姫』を上演することは既報の通り。2007年初演時にグリッド役を踊ったスヴェトラーナ・ザハーロワの強い推挙があっての招聘となったとのことですが、ザハーロワ&デニス・マトヴィエンコのほか新国立劇場バレエ団キャストも主演することが発表され、マルグリット:堀口純、アルマン:山本隆之に決まったようです。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000737.html

“胸の痛む純愛を19世紀パリの抒情的な雰囲気で描いた見ごたえのある大作で、堂々とグランプリを争った。美術、音楽ともに詩情ゆたかに演出された舞台だが、特に現代バレエならではの技法を駆使して緻密な心理劇を構築した振り付けが優れている。将来、日本バレエの貴重な財産となるだろう”“バレエに日本的なたんたんとした語り口を持ち込み、それを無理なくなじませたという意味で、画期的な作品だった。美術、音楽、照明などを含めた総合的な完成度が高く、古典らしい風格さえ感じられた”と選考委員に高く評価され第7回朝日舞台芸術賞を受賞しています。

新国立劇場バレエが発足して10年、満を持して芸術監督の牧が放ったものであり、それまで団が培ってきたクラシック・バレエの経験をベースに古典の様式性が活かされました。舞踏会におけるディヴェルティスマンなど大バレエ団が演じるに相応しい踊りの見せ場も豊富でした。ことさら芸術性や作家性に走るのではなく、音楽にベルリオーズを用いるといった新機軸も見せつつカンパニー自体が成長・発展できるプロダクションとして作られていたのがポイントです。カンパニーの現在の成熟度と未来へのヴィジョンを見据えた制作。新制作の創作に関しては賛否さまざま出るのは当然ですが、初演当時なぜ牧がそういった『椿姫』を作ったのかという考察がプロの批評家・ジャーナリストの間に希薄に感じられたのは残念でした。好き嫌いや良し悪しで決める、あるいはマニアックな視点だけで判断するのは誤った判断を下すことにつながるでしょう。

ロシア公演に際して大幅な改訂も施されるようでその成果が期待されます。2010年6月の国内再演も注目されるでしょう。堀口や酒井はならの競演も楽しみなところです。

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