経営改善迫られる公立病院 道内では14年度までに約1300床を削減

医師不足、診療報酬抑制など、黒字転換を阻む多くの障壁。

市立札幌病院

写真:11年度までに現在の810床を75床程度削減し、翌年度に収支の黒字化を目指す市立札幌病院

 

 長年、厳しい経営を強いられてきた多くの公立(市町村立)病院は、医師不足も深刻さを増し、軒並み赤字に陥っている。

 道が昨年12月にまとめた「北海道市町村における病院事業の業務概況」によると、2007年度の市町村立病院全体の経常収支は155億9,400万円の赤字。累積欠損は前年度比10.0%増の1,460億4,000万円、不良債務は同33.7%増の294億7,200万円に達している。

 公立病院の赤字が各自治体の財政を圧迫していることを背景に、総務省は07年12月、「公立病院改革ガイドライン」を策定、病院事業を担う各自治体に通知した。

 ガイドラインは、各公立病院が08年度末までに「改革プラン」を策定し、11年度末までに経常収支を黒字化するよう求めている。05年度から07年度の病床利用率が3年連続で70%未満の病院には、病床数の見直しや診療所への転換など経営形態を含めた抜本的な見直しを求めている。

 道内に93ある市町村立病院のうち、08年度末までに改革プランを策定したのは84病院だった。

 道総合政策部市町村課は「改革プランを策定した84病院のうち、36病院で病床の削減が計画され、14年度までに計1,367床が減少する見込み。病床を削減するなどの経営改善策を講じても、11年度末までに経常収支の黒字化を達成できない病院は22ある」と説明する。

 全道8つの道立病院では、07年度内に改革プランを策定。08年度末には具体的な数値目標を盛り込んだ収支計画を公表したが、計画の中で病床の削減数は示していない。

 道保健福祉部道立病院管理局は「病床数の削減については、各地域の医療状況を踏まえ、10年度内に検討をはじめ、翌11年度から見直す予定となっている」と話す。

 医師不足によって生じる過重勤務や経営の悪化による医療機能の低下に加え、診療報酬の抑制など公立病院を取り巻く環境は一様に厳しく、黒字転換のハードルは高いと言わざるを得ない。(文・糸田)

 

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