大分市内の書店で異例の売り上げを続ける「大友宗麟の戦国都市」。著者の玉永さん(左)と坂本さん
キリシタン大名として知られる大友宗麟(一五三〇―八七年)が活躍した時代に、南蛮貿易などで国際色豊かな都市として繁栄した豊後府内を紹介した「大友宗麟の戦国都市」(A5判・九六ページ、新泉社刊)。四月に出版されて以降、大分市内の書店で販売ランキングの一位になるなど、郷土史を扱った書籍としては異例の売れ行きを見せている。
著者は、大分市中心部にある大友氏遺跡(国指定史跡)の発掘調査に深くかかわった同市教委総務部次長兼文化財課長の玉永光洋さん(57)と、県教委埋蔵文化財センターの坂本嘉弘さん(57)。市教委と県教委が一九九八年から十年間にわたって実施した調査の成果を盛り込んでいる。
大分市の晃星堂書店の週間販売ランキング(雑誌を除く)では、四月の第二週に一位になり、以降、二位、一位、一位と推移。これまでに同店で約百三十冊が売れた。
同市元町や顕徳町に南北二・二キロ、東西○・七キロに広がる豊後府内の町の構造や発展と衰退の背景を説明。出土した東南アジアの皿やつぼ、当時の町民が使っていた食器などの写真、図を豊富に使って生活の様子がイメージできるよう工夫している。
当時の西洋地図には、豊後は日本と“並立”する国として記されていることも紹介。玉永さんと坂本さんは「国際化した社会や活動が西洋の人々には、アジアの独立国のように映ったのでは」と述べている。
玉永さんは「宗麟のまちづくりは、信長や秀吉ら戦国大名が目指したものとは違うことが分かっており、調査のデータは宗麟の再評価にもつながりそう」と期待。坂本さんは「調査十年の節目に本を出版できてうれしい。地道に発掘調査の成果を報告してきたことで誕生した『府内ファン』が購入してくれたのではないか」と話している。
晃星堂書店の大野勇次店長は「難しい語句が少なくて読みやすい本。宗麟は大分の英雄であり、遺跡が市民にとって身近な場所にあることも好評の理由ではないか」と分析している。
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