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持ち主判明の年金記録311万件放置 社保庁、通知せず(1/2ページ)

2009年4月4日3時52分

 持ち主の分からない「宙に浮いた年金記録」5千万件のうち、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で名前や住所などが判明したにもかかわらず、本人に知らされていなかった記録が約311万件あることが3日、明らかになった。社会保険庁は住基ネットとの照合作業は昨年6月までに終えており、今まで放置された形だ。

 加入期間が原則25年に達しないと年金は受給できない。約311万件の中から、無年金者の記録が見つかり、加入期間が通算25年分になれば、年金をもらえるようになる。

 公的年金の現役加入者と受給者には一つずつ基礎年金番号が割り振られている。約311万件の記録の持ち主の多くは、この基礎年金番号を持たない人たち。

 社保庁は、宙に浮いた記録の性別や名前、生年月日などが基礎年金番号の持ち主と一致するかを調査。判明しなかった記録について昨年4月〜6月に住基ネットと照合し、約314万件分が一致した。

 314万件の期間の内訳は、25年以上が2万5千件、10年以上25年未満が24万件、10年未満が287万件。社保庁はこれまでに、年金受給資格の25年を満たす記録2万5千件の持ち主だけに通知を出した。

 年金記録の確認を求める「ねんきん特別便」や「ねんきん定期便」は基礎年金番号のある人だけに送られている。314万件の持ち主の多くは基礎年金番号が付いていないとみられるため、特別便なども届かない。約311万件分の持ち主は、記録を確認する機会が与えられていない可能性が高い。

 3日の衆院厚生労働委員会で、民主党の長妻昭議員が、「10年以上の記録が抜けていると無年金になっている可能性が高い」として、通知や戸別訪問を求めた。これに対して、舛添厚生労働相は「どういう形でやれるか詳細は検討したいが、そういう方向でやりたいと思う」と答弁した。

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