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2009年05月07日

田中 早苗 弁護士 経歴はこちら>>

「博愛」が流行りはじめている(1/3)

 日本経済新聞に、毎週日曜日に掲載されている「検証 グローバル危機」。5月3日はアメリカの深刻な雇用不安を検証し、2年前にロースクールを卒業した男性を紹介した。

 年収16万ドルの新人弁護士生活を夢見た彼の現実は、法律事務所で時給35ドルの臨時職。しかし、それも打ち切られ、「経験豊富な数多くの先輩弁護士が失業する中で、新人が入り込む余地はない。何でもやる」と語っている。

 日本でも、司法試験合格者が激増したため、数年前から弁護士の就職難が問題になってきているが、今年は特に厳しい。
 渉外、金融を扱っている大手法律事務所の中にも依頼が急激に減り、大所帯を維持するのが大変だという噂を耳にするようになった。法曹界でも、日米変わりのない厳しい状況になっている。

○ジャック・アタリ氏の警鐘

 さて、このような金融危機を以前から見抜き、警鐘を鳴らし続けた人がいた。
 長年フランス大統領顧問を務めた経済学者、ジャック・アタリ氏だ。その彼をNHKが緊急インタビューしていた(4、5日放送)。

 アタリ氏は、2006年に著した「21世紀の歴史」で、人類の生存を揺るがす様々な波が押し寄せると未来を予測している。それは、アメリカ帝国の終焉という第1の波。そして、その後、複数の国々が世界の秩序を形作る多極化が第2の波。
 しかし、国際協調型の国家はグローバルな市場に勝てず、市場そのものが帝国(超帝国)となる(第3の波)。そこでは全てのもの、つまり、教育、保険、社会保障、警察、軍までもが民営化され、市場は今より無秩序になる。そして、エネルギー・水不足、気候変動が激しくなり、世界中で「超紛争」が起きるだろうというのだ(第4の波)。

  →次ページに続く(第5の波とは…)

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