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2009年05月07日(木曜日) 12時11分 更新

今日の視点

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『株式組入比率を使えば、GW中に買えた?!』【森田レポート】

今回のチャンスで会員の多くが動かなかった失敗原因とは?

4月10日から5月1日まで計5回にわたって「日柄調整後の上昇に備えて持たざるリスクを回避するための投資手法」のコンサルティングを行ってきました。しかし今回は、多くの会員の方が株式組入比率をアップしませんでした。
この大失敗の原因はケンミレにありますが、今回はケンミレがどのような経緯で『割安株投資』から『マネジメント投資』へ舵を切り、株式投資を財産構築の手段にしようとしているかについてレポートします。

ゴールデン・ウィーク(GW)中に米国市場は見切り発車で上昇を開始してしまいました。GW前にはストレステストの問題やGMの問題など株式市場を取り巻く環境は厳しく、普通に考えれば『GWをはさんで買う』という決断をするのは非常に難しかったのではないでしょうか。

ケンミレでは割安株投資を10年前に提唱し、4年前からマネジメント投資を提唱しています。これはどういうことかと言いますと、

(1)昔の日本の株式投資は、株価が大きく上昇したところで、証券会社の営業マンか ら『今、買えば儲かる』という電話が入り、このアドバイスにしたがって高値で買うという投資方法でした。

これは大きく上がったところで買えば上がっても、下がっても、すぐに売れるので『売買手数料が入る』からです。投資家の利益ではなく、証券会社の利益を優先した結果生まれた方法で、株式投資で儲けようと思えば『間違った投資方法』と言えます。

株価は上がれば下がりますので、下がったところで買って上がったら売るという方法が一番正しく、この投資方法が『割安株投資』なのです。

(2)しかし、大きく下がったところというのは、まだ下がると多くの投資家が思って いる時ですから、頭で分かっていても『買う決断』はなかなかできません。そこで、今度はマネジメント投資という投資方法を提唱しました。

この方法は株式市場が上がるか下がるかを予想するのではなく、上がるか下がるか分からないので『確率で勝負しよう』という方法です。

GW中に上昇する可能性が高かったのは、前回の相場が『30%以上上昇して全値押しとなり、更に30%近く上昇したところで『横ばい相場』となっていたからでした。

つまり値幅調整ではなく、日柄調整だけで調整が終って『上昇に転じる』という調整だったからです。

勿論、突然に値幅調整が起こって買った瞬間に下がるというリスクもありました。こういう環境で威力を発揮するのが『株式組入比率』です。

良く分からないから「30%だけ買っておこう」とか「50%買っておこう」、もし  下がれば『残りの投資資金で、下がったところを買えば良い』という考え方をすれば、GW中でも買う決断ができたと思います。

これが買わないリスクを回避する投資方法です。つまり、株式市場の将来を予測するのではなく、大きく下がった時(今回は特殊で、値幅ではなく日柄だけでしたが)には、投資資金の何%だけ買って『持たないリスクを回避しよう』という投資ができます。

(3)何もしなければ損はしませんが、逆に儲かる確率が高い時に動かないということ は『利益を遺失する』ことと同じです。
株式投資で一番大切なことは、株式市場が大きく下がった時に『買う勇気』と、上昇に転じた時に『欲張らないで、確実に売る勇気』の2つです。

この2つの勇気があれば、1年が終った時には『いつの間にか利益が積み上がっている』ということになります。この2つの勇気に『株式市場が上昇したら買わない』という『忍耐』が加われば、株式投資はもっとも有効に財産構築の手段になります。

結論

昔、投資顧問をしていた時に今回のような買いチャンスで『買いましょう』というレポートを会員に送ったり、株式市場が大きく上がったので『持っている株を売って現金にしましょう』というレポートを会員に送ったりしていました。また、会員から同じように『問い合わせが来る』ことが毎年、年間で3〜4回ありました。
この時の社員の対応は、社長は『ああ言っていますが、まだ危ないので待ちましょう』『社長はああ言っていますが、まだ上昇しますので、売るのはやめましょう』というものでした。

その度に社員ともめたのですが、彼らの最後の言い方は『次は社長に従います』であり、これが何度も続いて『どうして従わないんだ』と言ったら『我々も一般投資家ですから』と最後に開き直られてしまいました。

私は、お前達は『詐欺師と同じだ』と言ったものでした。
今回も『コンサルティング・メール』で4月10日から『コンサルティング・メール』で、株式組入比率のアップの「心の準備」についてアドバイスを続け、27日と28日、30日と1日、7日と8日が株式組入比率アップのキーとなる日(重要な日)だという『コンサルティング・メール』を出し続けました。

結果は、動いた人達は10%未満で、半分近い人達が動いてくれませんでした。

これはケンミレの大失敗です。動かない理由の分析と、どうすれば動くかという2つについて『ケンミレの怠慢』があったことが、今回の失敗の最大の原因でした。

正しいこと言えば良いのではなく、正しいことを言い、その結果として『人が動いて』初めて『正しいことをした』と言える訳です。

現在、勝つ確率が高い投資ソフト作り、知識や経験がなくても使えるサイト作りを行っており、あと少しでサイトとソフトは完成すると思います。今回の失敗で『最大の課題』は、「コンサルティング・メールのレベルアップにある」ということを学びました。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 森田謙一