米国で顔面移植女性が会見  「外見で判断しないで」

　【ニューヨーク６日共同】米国で初めて顔面移植手術を受けたコニー・カルプさん（４６）が５日、手術をしたオハイオ州の医療機関「クリーブランドクリニック」で記者会見し、初めて自らの名前などを公表した上で、「同じような外見じゃないからといって、それで人を判断しないで」と語った。ＡＰ通信などが伝えた。

　カルプさんは２００４年、夫に散弾銃で顔を撃たれ、鼻やほお、上あごをえぐられるような外傷を負った。３０回にわたる予備的な手術を経て、昨年１２月、死亡した女性から骨や筋肉、神経など顔の組織の提供を受け、２２時間の大手術で顔の８０％に及ぶ広範囲の移植が行われた。

　手術前は自力で呼吸できず、固形物も食べられない状態が続いていたが、ことし１月にはピザやハンバーガーを食べられるようになり、２月に退院した。

　顔面移植としては当時、世界で４例目だったが、これほど広範囲の移植は初めてとされる。手術の際、医療チームはカルプさんの名前や年齢などを公表していなかった。