ホップはアサ科の宿根性多年生植物です。雄株と雌株が別々になっており、ビールに使われるのは球花(きゅうか)と呼ばれる雌株の花です。 ホップは受精するとその苦味や、香りが劣化するため、雄株は全て排除し、受精させないようにします。
ホップは、地上に出ている部分は冬に枯れますが、根の部分は残り、春になると芽を出します。出てきた芽は、ホップ生産者によって選芽されます。 ホップは、つる性の植物で6〜8mの棚からつるした紐に巻きつけます。巻きついたつるは、どんどん生長し、8〜9mほどの長さになり、8〜9月に収穫されます。
生長したホップ畑
ホップの成分は、ビールの苦味と爽快な香りを生み、ビールの泡持ちを良くします。また、過剰なタンパク質を沈殿させるのでビールの濁りを取り除く作用もあります。更に、雑菌の繁殖を抑え、ビールの腐敗を防ぐ作用もあります。
ホップの雌花は生育すると松かさ状になることから、「球花」(きゅうか)と呼ばれています。成熟と共に球花を形成している各ホウのつけ根に黄色い油滴状のルプリンと呼ばれる粒が形成されます。このルプリンには、ビールの苦味のもととなる樹脂や、香りの成分の精油が含まれています。
ホップには催眠、鎮静、利尿、食欲増進、消化促進といった、薬理的作用がよく知られていますが、実際にはビール醸造以外はほとんど使われていません。
ホップの球花
ホップは、日本でも野生で見られる植物です。北海道開拓使時代のビール作りでは、アメリカから来た化学技術士アンチセルが、北海道で野生のホップを発見したことをきっかけに、北海道でもホップの栽培を始めました。
現在では東北地方が日本での主産地です。世界的にはドイツ東南部のハラタウ地方とチェコ西部のザーツ地方が名産地とされ、アメリカのオレゴン州、オーストラリアのタスマニア島等でも栽培されています。サッポロビールは中国新橿ウイグル自治区で農薬を一切使用しないホップ栽培に成功し、秀逸なホップを収穫しています。
タイプ
特長
代表的品種
ファインアロマ
ホップの香りは他のアロマタイプやビタータイプに比べて穏やか。 ビールになってからの苦味も穏やかで上品。
ザーツァー(チェコ) テトナンガー(ドイツ)
アロマ
ホップの香りはファインアロマに比べて概して強い傾向。
ヘルスブルッカー(ドイツ)
ビター
ファインアロマやアロマタイプが香りを重視しているのに対し、苦味質含有量が多いタイプの品種。
ノーザンブルワー(ドイツ) ブルワーズゴールド(ドイツ)
1970年代に、チェコのホップ畑がウイルス病の蔓延により危機的な状況になりました。その際、サッポロビールが「ウイルスフリーホップ」を提供し、その危機を救いました。長い歴史の中で培ってきた世界最高水準の技術が、世界のビール作りに役立っています。
収穫後、乾燥されたホップは以前はそのままビール工場で使われていましたが、輸送の際にかさばることや保存中に苦味質の損失がある等の理由により、現在では粉砕後,粒状のぺレットに加工して使われることが多くなっています。加工に際してはルプリン粒をふるいわけ、ルプリンを多く含んだ濃縮ホップぺレットとすることもあります。また、ルプリンの苦味質、精油等を抽出してペースト状のホップエキスと呼ばれる製品へ加工されることもあります。
サッポロビールは、ホップの贅を尽くした本格ピルスナービール「エーデルピルス」を、飲食店限定でご提供しています。「エーデルピルス」は厳選されたピルスナー麦芽を100%と、ファインアロマホップを通常のビールの3倍(当社比)使用してつくった贅沢なビールです。きりっと引き締まった本格的な味わいとホップの高貴な香りを楽しむことができます。
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