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公立12病院、5年内黒字化 改革プラン山口県内状況 '09/5/1

 ▽医師確保や健診充実 自己点検し毎年公表

 経営状態が悪化している公立病院の健全経営と地域医療確保のため、国が二〇〇八年度中に、各自治体に策定を求めていた改革プランの山口県内状況がまとまった。プランを策定した七市町の十二病院は、医師の確保や健診業務の充実などを推し進め、一三年度までに黒字化を達成する、としている。各病院は毎年、プランに基づき自己点検、自己評価し住民に公表する。

 県内には現在、八市町が経営する十五病院がある。うち下関市の三病院を除く十二病院が改革プランを策定した。同市は今月中に策定する予定という。

 国が求めた改革プランの柱は、「経営の効率化」▽病床数の見直しや地域内の他公立病院との連携体制を構築する「再編・ネットワーク化」▽指定管理者制度導入や民間譲渡など「経営形態の見直し」―の三点。期間の目安は本年度からおおむね五年間とした。

 県市町課によると、経営の効率化では、〇八年度決算で黒字が見込まれる岩国市の錦中央病院を除き、各病院とも〇九〜一三年度に黒字化を達成する計画。方策として、大半の病院が医師確保に努めたり、紹介患者・救急患者の増加を図ったりする、としている。

 健診業務の充実、人件費などのコスト削減、薬剤を抱えずに済むよう院外処方の推進などを挙げた病院が多いという。

 再編・ネットワーク化は、萩、山陽小野田の二市が〇八年度に実施済み。萩市は市民病院の結核病床十五床を廃止し、山陽小野田市は市立二病院を統合した。さらに周南、光、美祢、山陽小野田の四市が今後、他の公立病院との連携などを検討するとしている。

 経営形態の見直しに関しては、山陽小野田市が、統合して休止中の山陽市民病院を〇九年度中に民間譲渡の予定。このほか萩、光、山陽小野田、美祢の四市六病院が見直しを予定しているが、具体的な方向性は未定という。

 具体的には、萩市民病院は地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人、指定管理者制度▽地方公営企業法を全部適用している光市の光総合、大和総合病院は地方独立行政法人▽同じく地方公営企業法を全部適用する山陽小野田市民病院は地方独立行政法人、指定管理者制度▽美祢市立病院と美東病院は公営企業法全部適用、地方独立行政法人―を検討するとしている。(瀬山茂昭)




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