オヤニラミ、卵のふ化始まる 阿南市科学センター 2009/4/29 18:23
阿南市科学センター(同市那賀川町)で、希少淡水魚オヤニラミの卵のふ化が始まった。卵は三月で休校した新野西小学校で育てられていたオヤニラミが産んだもの。センター正面玄関の水槽で、約三十匹が元気に泳ぎ回っている。同じく飼育を引き継いだ新野小学校では、卵が見つかった。休校に伴い児童三人が四月から新野小に通っており「魚たちに『新しい場所でも頑張れ』と励まされているみたい」と喜んでいる。
科学センターによると、ふ化は二十三日に始まった。これまでに百五十個の卵のうち三十個がふ化。今も毎日、五匹前後生まれていて、体長三-五ミリの稚魚が群れをなして水槽の中を泳ぎ回っている。約二年で成魚になるという。
新野小のオヤニラミは十三日から二十日にかけて計八十個の卵を産んだ。成魚に食べられないように、児童が卵を別の水槽に移した。稚魚の誕生を心待ちにしながら、毎日観察を続けている。
新野西小から新野小に移った六年の上田千晃さん(11)は「毎日、登校して卵を観察するのが楽しみです。科学センターの稚魚も見てみたい」と話している。
オヤニラミは県の天然記念物で、環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。新野西小が一九九五年から飼育・繁殖に取り組んでいたが、三月末に休校となり、飼育していた十四匹を新野小と科学センターに譲り渡した。【写真説明】ふ化を心待ちにしながら水槽を観察する児童=阿南市の新野小学校