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2009/05/07

昔話-その15-

ゴッドマーズの後は、レインボーマンでしたっけ?

これも自分から制作会社に電話をしてやらせてもらった作品です。
初期のレインボーセブンへの合身バンクは亀垣さんなんですよね。

僕がやらせて欲しいと連絡をした頃には、もう制作も終盤だったので、最終回の一話前の#21「父・一郎は生きていた!」の担当でした。

コンテ・演出・作画監督をやらせてもらいましたが、アクロバンチの事で(キャラが似ないのを)警戒されていたのか、事前にキャラを描いて監督の岡迫さんに見ていただいてからokをいただいています。
やっぱり当時から似せようと思えば似せられたのか…(苦笑)

レインボーマンではアクロバンチのように必要以上にキャラが崩壊していないのは、もちろん気をつけていたのもありますが、それに加えて描き直しに近い修正をしなければならなかったアクロバンチとは原画スタッフが違いましたから…

スタジオZ5(亀垣さん、本橋さん、長岡さん他)とナンバーワン(鍋島さん、飯島さん、田辺さん、僕)と、曽我部君とで全部描いていますから、作画監督なんていなくても成立するくらいです。

中盤、水爆ミサイルを追って成層圏に飛んだレインボーセブンを白と濃紺のTP(トレスペイント)2色にしたのは、なんとかあの七色の塗り分けを避けられないかとの苦肉の策ですが、ダイターンのマサアロケットのイメージがあったのも間違いないと思います。

考えたら、あの高度までロケットが切り離さずにあの形状のまま飛んでいくわけ無かったですね…勉強不足でした。
ちなみのあのシーンの原画を担当してくださったのは鍋島さんです。

ダッシュ7~ダッシュ1の変身アクションや、ラストのロボット戦は僕が担当しました。
レインボーマンのアクションは、この頃はもう宇宙刑事にかぶれていた時期なので、ポーズなどを意識していますね。

ラストシーンのパステルプチの死は本橋さんの原画なんですが、アフレコのときに主役の水島裕さんが、「あれ~明神タケルに似ているなぁ~?」って不思議がっていらっしゃいました。
考えたら主人公の名前も、タケルとタケシでかぶってるし…

このレインボーマンでもスケジュールをかなり遅らせてしまって、皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました…懲りませんね…
ちょっと調子に乗って、いい気になっていた恥ずかしい時期でもありました…

僕にしては珍しく、この#21だけは当時エアチェックした映像が残っていたのでdvdに焼いてはあるのですが、色々と恥ずかしい思い出が甦ってくるので、あえて見直したりはしていませんです。。。

レインボーマンの作業の終盤は、カナメプロから頼まれたアルベガスの合体バンクの仕事とかぶっていて、かなりしんどかった記憶があります…

アルベガスの仕事は、東映動画ではなくカナメプロからの依頼でした。
演出は石田昌久さん(若くしてお亡くなりになってしまいました…)でした。

僕はデンジンディメンジョンの合体シーンの作画を担当することになりましたが、レインボーマンの作業が遅れていたためにスケジュールが被ってしまい、一部カナメプロの若手だった橋本さんという方に第二原画をお願いしています。

アルベガスのメカデザインは、ゴッドマーズと同じポピーの村上克司さんですが、アニメ用の設定は、後にコズミック・ファンタジーでもお世話になった小原渉平(アルベガスでは本名の小原髪夫名義)さんが起こされています。
実は後に、トランスフォーマーのアニメ用の設定を最初に起こしたのも小原さんだったりします。

アルベガスはシンプルなように見えて、実は面取りが難しくて描きにくいんですよ。
小原さんのお描きになった設定のようにカッコよくは、なかなか描けませんでした。

デンジンディメンジョンは、ラストの決めポーズの前に一回身体を丸めてタメを作るのですが、あれはガイキングの決めポーズを意識したと記憶しています。

後に追加で作られていくデンジン以外のディメンションの合体は僕の担当ではありません。
どれかのディメンションの合体を長崎さんが描いていたような記憶があるのですが、僕の思い違いかもしれません…

デンジンの合体バンクは、一部をオープニングにも使用されていますが、尺の問題でタイミングを1k打ちに変更してあるため、そちらの方がスピーディでかっこいいですね。

アルベガスのオープニングの原画は、亀垣さんと鍋島さんによるものです。
頭~各ディメンジョンの止め、サンバイ剣の出現辺りまでが亀垣さんで、最後のバッサバッサと敵を切っていく大変なカットと、蛍のポーズがかわいいラストの決めポーズが鍋島さんの担当です。

アルベガスの本編は、全部海外スタッフによる制作体制でしたので、僕たちは参加していません。


あ…ここまで描いてきて、ゴッドマーズのエピソードをひとつ思い出したので追記しておきます。
ゴッドマーズの敵メカのデザインは亀垣さんの担当ですが、デザインポリシーとしてオブジェのような"人型でないもの"という事を念頭におかれていたそうです。

ある日…いつものようにナンバーワンのメンバーで、亀垣さんを夕食を誘いに行くと、丁度ゲストメカデザインを描いていらっしゃるところでした。
いわゆるヤラレメカというやつです。

その回も、やはり人型ではない黒いボールのような形状のメカでした。
が、コンテを見ると、そこにはモグラのようなかわいいキャラで描いてあるではないですか!
みんなのこっちのモグラの方がいいよーという無責任な発言に、亀垣さんはわかったわかったと言いながら、僕たちの目の前で、ものの10分ほどでデザインを描き直してしまいました。

そうです…あの#10のバキュームです。
それが後に、後期opや劇場の大スクリーンに登場したり、プラモデルや超合金になるんだからわからないものです…

このバキュームは、それでもまだ"人型"ではなかったのですが、僕がコンテを切った#57では、つい人型のヤラレメカを描いてしまいました。
亀垣さんは、なにも言わずにコンテのままのデザインのヤラレメカを上げてくださったのですが、後から思うと申し訳ないことをしたかなぁと…
今更ながら、ごめんなさい。。。

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