2008年04月20日

交通渋滞防止コンサルタントとして活躍します

 

「交通渋滞防止コンサルタント」でインターネット検索しても「交通渋滞」を「防止する」仕事をしているコンサルタントを検出できません。ニーズがないのか、それとも「防止する」ことができる人がいないのかは分かりませんが、私が日本で初めて交通渋滞防止コンサルタントとして名乗りをあげたという事実だけは確かなようです。


さて、ニーズがないのかと書きましたが、この度の「三井アウトレットパーク入間」の大渋滞は放置しておくことはできません。地域住民や通勤者、通学者、もちろん首都圏の大動脈である国道16号線を利用するドライバーなどは本当に困っています。地域の商業者はビジネスにならないと先を案じています。
入間市に限らず、日本各地で大型商業施設出店による渋滞問題や環境悪化問題が取りだたされています。お役に立つことは多いものと考えています。


それでは、なぜ私がこの交通渋滞の防止に力を発揮できるのかを簡単に説明しておきます。それは極めて単純なものです。私は東京ディズニーランドの渋滞対応の責任者を務めてきた経験がある、それ以上でもそれ以下でもありません。


しかし、です。当時私が駐車場の運営や渋滞対策の責任者を務めたは「さようなら、エレクトリカルパレード」のイベントが開催された頃です。異常なくらい車両来場者が増加し千葉県警や警視庁からの指導もあり、TDL側もできるだけの対策を講じてきました。今振り返っても、TDLとしてできることは全て行なえたと思います。


私は長い間現場運営の責任者を務めてきました。その経験から申し上げますが、この時ほどTDLの「ピンチ」を感じた時はありませんでした。当時はディズニー・シー計画も進んでいました。近隣の住民の方々に迷惑をかける事態は絶対に防がなくてはならなかったのです。渋滞防止という使命を成し遂げるため早朝から深夜まで働き続けた日もありました。


繰り返しますが、できることは全て行なうということがパーク運営の基本中の基本です。楽をしないで地域社会との共存共栄を図らなくてはならない、上司から口をすっぱくして指導されたことです。

理念だけではなく、駐車場設営のノウハウもディズニーは卓越しています。年間来場者数から必要駐車スペースを割り出すことができます。ゲストが不快に思わずリピーターになってくれるための駐車場運営ポリシーも有しています。それだけに、他の駐車場の運営状況をみるとまさに「大人と子ども」の違いを感じてしまうのです。


昨晩もあるニュース番組で「三井アウトレットパーク入間」が取り上げられていました。「駐車場 満車 180待ち」という看板を持ったスタッフが、国道16号線脇に立っている姿が映し出されました。


国民の共有財産である「道路」です。「道路」を駐車待ちの待機場所にしていい訳ありません。TDLのようにできることは全て行なって欲しい、そう願ってやみません。


※ コンサルティングの内容等はお気軽にお問い合わせください。

2008年04月15日

東京ディズニーランド25周年 その成功の理由とは

東京ディズニーランド(TDL)は4月15日に25周年を迎えます。この25年間を振り返り、TDLが何を日本社会にもたらしたのか考えてみます。


【ビジネスの成功にはサービスが大切】
TDLが開業した1983年の日本社会は、旧日本国有鉄道に代表されるように「サービス無しが当たり前」が許される社会でした。TDLがもたらした最大の変化はこの常識を覆したことでしょう。
今ではJRの社員も「サービスを考えることが当たり前」になり、利用客もまた「料金にはサービスが含まれる」と考えるようになったことは画期的なことと考えられます。


【TDLは遊園地ではなくテーマパーク】
遊園地とテーマパークの違いがお分かりでしょうか。多くの人々は「あるテーマで統一された場所」をテーマパークと考えているようですが、これは必ずしも正しくありません。この定義では昆虫のテーマパーク、ゲームのテーマパークなど何でもテーマパークになってしまいます。ウォルト・ディズニーが考えたテーマパークは、遊園地とも違う、もっと人間味のあるものなのです。

遊園地とは、乗り物やゲームマシンなどの「機械」が人を楽しませたり、快い気持ちにさせたりする場所です。一方、テーマパークとは、人が人を楽しませたり、快い気持ちにさせたりする場所です。人と人のふれあいにより、喜びを分かち合う「パーティ会場」と言っても良いでしょう。

財政破綻した夕張市は「機械」が主役の遊園地に大金を注ぎ込みました。人が人を楽しませるという発想でレジャーや観光を考えていれば、財政が破綻することなどなかったものと考えられるのです。


ディズニー・テーマパークの共通理念】
TDLに限らず世界中のディズニー・テーマパークの理念は共通しています。それは「幸福の創造」です。経営する会社も働く一人ひとりの従業員も、この考え方に即し、人をハッピーにする仕事に従事していると言って良いでしょう。

「TDLの仕事は、皆さんの仕事同様に人を幸福にすることです。」このようにTDLの仕事を説明すると、大抵の人はびっくりします。そして気付いていただけます。職業に貴賎はないと言いますが、全ての仕事(例外がないとは言いませんが)は人を幸福にするという尊いものであるということを。

TDLのリピーター率は98%以上と言われます。TDLが人の心を掴んで離さない最大の理由は、全キャスト(従業員)がこの「幸福の創造」という理念に基づき、心からのゲスト(お客様)に最高の「おもてなし」を提供しているからにほかならないのです。


【成功の公式SCSE】
日本社会は「阿吽の呼吸」が通じる社会です。一方、アメリカ生まれのTDLは「阿吽の呼吸」を許さない社会なのです。この違いが成功するか、失敗するかの明暗を分けます。
少しだけ考えてみれば分かります。組織が大きくなればなるほど「阿吽の呼吸」は通用しなくなります。企業がグローバル化すればするほど「阿吽の呼吸」は通用しなくなります。

TDLほどの巨大な組織はとても「阿吽の呼吸」では運営できません。TDLの運営は、蓄積された体系的な理論とノウハウに基づいています。であるからこそ、大きな失敗をせずに25周年を迎えられたのです。

ディズニーの膨大な「知恵」の中でもSCSEは最も素晴らしいものです。
SCSEとはセーフティ(安全性)のS、コーテシー(礼儀正しさ)のC、ショーのS、エフィシェンシー(効率)のEの頭文字を優先順に並べたものです。つまり、安全性を第一に考え、最後に経済効率を考えましょうというものです。

SCSEは公式です。誰でも三角形の面積を求める時には公式を用います。なぜならば、公式によって「正解」を導き出すことができるからです。
TDLのキャストも同じです。キャストも社長も、皆、このSCSEという「公式」を使って、正しい行動や正しい思考を導き出すのです。SCSEという公式に当てはめてみて「正解」を求めるのです。

SCSEに基づいた判断は成功を生み出します。SCSEに基づかないと必ず失敗します。その例がJR福知山線の脱線事故や六本木ヒルズで起きた回転扉死亡事故なのです。安全性より、経済運行や空調の効率性を優先させてしまった、つまりSCSEに即していなかったから事故に結びついてしまったのです。

SCSEは秘密のものではありません。SCSEで検索するとTDLを運営する潟Iリエンタルランドのホームページがトップに表示されます。これは、オ社の「SCSEを使って事故を撲滅して欲しい」「正しい仕事をして欲しい」というメッセージであると考えられます。


【マニュアルは最低限の約束ごと】
TDLの運営にはマニュアルが欠かせませんが、マニュアルは「取扱説明書」のようなものではありません。ディズニー・テーマパークのマニュアルは、「道徳」を含めた教科書の集合体のようなものと考えた方が分かり易いでしょう。

TDLで働くキャストの仕事は「幸福の創造」です。やるべきことは人をハッピーにさせることです。
反対に、してはいけないことは人を悲しませることです。マニュアルには人を悲しませないための「守るべき約束ごと」と、「やってはいけない約束ごと」が書かれていますが、人をハッピーにさせるために「やってはいけないこと」は書かれていません。

キャストはゲストを「とても大切な人」と考え、大切な人のためにできることを惜しみなく行なっているのです。つまり最低限の約束ごとであるマニュアル以上の最高の「おもてなし」をゲストに提供しているのです。


【TDLの道徳教育】
TDLの道徳教育はディズニーフィロソフィ(哲学)に基づいて行なわれていますが、決して難しいことを教えているのではありません。SCSEのCはコーテシー(礼儀正しさ)と説明しました。ディズニー・テーマパークでの英語の場内アナウンスは、必ず「レディース、アンド、ジェントルメン〜」から始まりますが、一人ひとりのキャストもレディ、ジェントルマンとして、礼儀正しく淑女、紳士であるゲストをもてなすよう教育しているのです。

TDLが25周年を盛況のうちに迎えられたのも、キャストたちの「おもてなし」の力なのです。道徳教育というと堅苦しいですが、TDLの道徳教育は、人が誰でも持っている思いやりの心を引き出すことであり、その思いやりの心から最高の「おもてなし」が提供できるよう教えているだけなのです。


【公私の公と公私の私】
科学の「科」とは本来分けるという意味です。TDLも色々なことが分けられていますが、最も明確に分けられているのが「オンステージ(舞台上)」と「バックステージ(舞台裏)」の区別です。ゲストが目にする場所が「オンステージ」です。


反対に、ゲストには決して「バックステージ」を見せない工夫がされています。バックステージを見せない、その理由は簡単です。それは「舞台裏」を見てゲストがハッピーになることはないと考えるからです。「舞台裏」を見せること、これはディズニー・テーマパークでは「してはいけない約束ごと」なのです。一方の「オンステージ」ではディズニーのエンターテイメントが繰り広げられています。

ディズニー・テーマパークでは、この「オンステージ」を「公私の公」の場所と位置づけ、全てのキャストが礼儀正しい行動やゲストの心を暖める言葉遣いなど、公共の場にふさわしい振るまいをしています。
キャストは公私の私の場所である、「舞台裏」では「ぼー」としていても構いませんが、公共の場所である「オンステージ」では、ゲストのおもてなしに集中しなくてはなりません。つまり、休んでいる時と場所、おもてなしに集中している時と場所がはっきり分けられているのです。

これもディズニー・テーマパークと一般のレジャー施設などとの大きな違いの一つなのです。オンステージでは、キャストはおもてなしに全力投球、これが、TDLが人の心を掴んで離さない理由なのです。


【TDLの成功を日本社会に生かす】
荒廃した日本社会をより良い方向に導くためには、ディズニー・テーマパークの良い点を真似ることから始めるべきであると考えます。
いじめの問題もディズニーの道徳教育に基づき、人の「やさしさ」にアプローチしていくべきでしょう。また、プライベートの場所と時間、「公私の公」の場所と時間にはっきりと分け、公共の場所においては「心傷つけ言行」などの「してはいけないこと」を行なわないよう、しっかりと指導していくべきです。

大人の社会も同様にディズニー・テーマパークから学ぶべきことはたくさんあります。最近「品格」という言葉を目にしますが、ディズニーの「品格」とは、おもいやりの心、分かち合いの心、助け合いの心でSCSEを励行することです。SCSEの公式に即して品格ある判断をすることにより、不祥事や事故の発生は劇的に減少するに違いないのです。


【アメリカのDLを超えたTDL】
アメリカのディズニー・テーマパークは、顧客サービス教育、顧客満足教育のMBAクラス(経営管理学修士号)のスクーリングに利用されていますが、東京ディズニーランドで進化させたTDL方式がそこに影響しているのです。
TDL開園時にアメリカから提供されたマニュアルを現在ではアメリカが逆輸入して使用していると言っても良いでしょう。

ディズニー社のトップも「TDLの顧客満足経営及び顧客サービスの水準はロサンゼルスのDLの水準を超えた」と高く評価しています。「セブン・イレブン」と同じです。この日本人の「オリジナルをさらに進化させる力」は世界一なのではないでしょうか。TDL25周年を機に、日本人は自信を取り戻そうではありませんか。

2008年04月01日

今年度は【地球にホスピタリティ(おもいやり)】をテーマに活動します

 「地球は私たちが先祖から譲り受けたものであると同時に、未来の子どもたちから借りているもの」

岡田武史サッカー全日本監督が発起人代表を務める地球環境イニシアティブ代表の小田全宏氏の著書にはこのように書かれています。


宇宙の奇跡と言われるこの地球とこの地球に暮らしている人々、いつかこの地球に暮らす人々のために、今年度は環境問題を解決するノウハウの提供など、「地球にホスピタリティ」をテーマにした活動を行なっていきたいと思います。


さて、私は思いやりの心やホスピタリティ・マインドを持つ組織は、顧客を必ず満足させ、スタッフの意欲と世間の評判を必ず高めることができるものと確信しています。しかしながらどうでしょう。規模や官民の違いにかかわらず、多くの組織が180度違う、つまり思いやりの心もホスピタリティ・マインドも持たない組織であると断じざるを得ません。


最近の消費者は、その企業の環境問題に関する取り組み姿勢を鋭い目で見つめているような気がします。今月初旬に私の出身地である、埼玉県入間市の国道16号線沿いに大型の集客施設が開業しますが、私は企業の姿勢が問われる象徴的な出来事が生じるものとらえています。


ディズニー・テーマパークは、私たち従業員に「並大抵でない努力」を強いてきました。「何をしてはいけないか」をたたき込んできました。その「並大抵でない努力」をしない、あるいは、「してはいけないこと」が分かっていない組織は、顧客や世間からの良くない評判にさらされることでしょう。


さらに、「すべきこと」と「してはいけないこと」の境界線を引けない組織には大いなる未来はありません。これからの企業活動において、経営に本物の「幸せ指標(ものさし)」を持たない企業は淘汰されていくに違いありません。


日本の多くの組織が「地球に本物のホスピタリティ」を実践すれば地球温暖化は防止できる、世間の評判も格段に高めることができる、私はそう信じて疑いません。

 

12月9日追記

 子供たちに豊かな日本をしっかり相続させる「日本版グリーン・ニューディール」の具体策はこちらから


 日本版グリーン・ニューディールの具体策


「山しげらずば、いわし寄り申さず候」
日本版グリーン・ニューディールが循環型社会を構築します


 トトロのふるさと財団や障がい者施設を支援する新しいお祭り

武蔵野インターナショナル“さんぽ”フェスティバル