秘書が政治資金規正法違反に問われ、地方行脚も思うに任せない民主党の小沢一郎代表を側面から支援しようと、赤松広隆選対委員長が、裏方役だった姿勢を一変させ、選挙態勢の再構築に向け全国行脚を続けている。4月20日から大型連休入りまでに既に大分、沖縄など7県を回った。社民、国民新両党との選挙協力を強く意識した行脚だ。
「小沢さんも民主党も、もっと前に出てやってもらわんと」。4月25日午前、大分市の社民党県連を表敬訪問した赤松氏に、地元の重野安正・社民党幹事長が注文した。赤松氏は「事件は、企業・団体献金禁止や世襲制限を行えるきっかけとなった」と応じた。その上で「小沢一郎が好きで民主党を支持する人はそういない。僕らは(小沢氏の)自民党政権をぶっつぶすパワーを評価した。それと野党共闘だ」と続けた。
27日午後、赤松氏は那覇市にある国民新党の下地幹郎衆院議員の事務所で、郵政政策研究会の幹部ら160人を前に「民主党だけでなく、自公政権に反対する野党全体が勝利しなければ安定政権はできない」とあいさつ。下地氏は「民主党と一緒にやっていると県民に示せる」と強調した。
民主党は、次期衆院選候補予定者のうち社民12、国民新9、新党日本1、無所属3の計25人を推薦。逆に多くの民主党候補予定者が社民、国民新から推薦を受けている。小沢氏は、野党共闘を重視する姿勢を示しており、それを旧社会党系である赤松氏がベテランの強みを生かしつつ体現する形だ。赤松氏の行脚は連休明けも東北、南九州、山陰、北陸と続く。【渡辺創】
毎日新聞 2009年5月5日 9時14分(最終更新 5月5日 10時24分)