2006年07月23日

ホスピタリティとコンプライアンス

以前3月29日のブログでコンプライアンスについて少しだけ触れました。今日はそのコンプライアンスについて書いてみたいと思います。

◇コンプライアンス(法令遵守)だけでは会社は存続できません。法令は社会の最低限のルールであって、法令さえ守っていれば何をやってもいいというのではありません。そして、より会社のルールを明確にするために役立つのがマニュアルなのです。

このように書きましたが、その背景にはライブドア問題、村上ファンド問題などで表顕したように「法に触れなければ何をやってもよい」という風潮が、今の日本に蔓延していると考えているからです。

この「法に触れなければ」という思想は、アメリカ型の市場原理主義に基づくものであると考えられますが、日本人がこの市場原理主義を解釈するとこうなってしまいます。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
「カラス、何故鳴くの、カラスの勝手でしょ〜」
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2006年07月07日

エレベーター死亡事故と安全の維持管理A

高校生が死亡したあのエレベーター事故から一ヶ月が経ちました。

この間、このブログで事故原因や防止対策の途中経過について書きたいと思っていたのですが、入手した情報量があまりにも少ないために、今でも「何も書けない」状況が続いています。

その理由は、事故機が外国のメーカー製であり、裁判を意識した対応なのか、事故機に関する情報(プログラムやメカニック的構造など)を開示しないことにあります。事故の原因を知りたい私たちエレベーター利用者にとって、このシンドラー社の対応はまったく納得できないものです。

私は、ディズニーランドでスペース・マウンテンやビッグ・サンダー・マウンテンの安全管理を担当してきましたが、その経験から、シンドラー社及び保守点検を請け負っていたSEC社の今回の事故への対応は、今後の日本社会に大きな影響を与えるものと考えています。

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