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【コラム】人口争奪戦の勝者、北海道伊達市の試み(上)

 日本政府が最近発表した今年1月現在の公示地価は全国平均で前年比3.5%下落した。3-4年前から景気が回復し、約10年ぶりに不動産価格が上昇を示し、日本ではデフレ脱出の歓呼の声が響いていた。しかし、昨年押し寄せた世界的な金融危機の直撃を受け、不動産価格は3年ぶりに急落に転じた。今回の調査では全国の97%の地域で地価が下落し、1990年代のバブル崩壊期よりも地価下落地域が多く、日本人にとってはショックだった。このため不動産価格の下落が消費低迷と金融不良債権を招き、長期不況につながるのではないかという不安感が再び高まった。

 このように、大都市や地方都市を問わず、全国の大半の地域で地価が下落した。しかし、北海道伊達市では地価が逆に上昇し、関心を集めている。人口3万7000人で65歳以上の人口が25%を超える典型的な地方都市だが、全国の地価上昇率上位5カ所のうち3カ所が伊達市内だったことは奇跡的な事例だ。地方都市が大都市さえ克服できなかった不動産価格下落の津波を乗り越えた秘訣(ひけつ)は、大都市の定年世代を誘致したことにある。

 人口減少で存亡の危機に直面していた伊達市は1999年に大都市の定年層誘致を担当する部署を設置し、多彩なサービスを提供している。東京など大都市の定年層が伊達市での生活を体験できるよう支援する「移住体験サービス」が代表的だ。大都市での1カ月の生活費にも満たない10万円を払えば、住居はもちろん、食事、家具類などが1カ月間提供される。この期間、伊達市に住みながら、定年移住者の先輩や住民らと会い、生活条件や環境を直接体験した後、移住するかどうかを決定できる。ただ一方的に移住を押し勧めるのではなく、「一度住んでみて、徐々に検討すればよい」という伊達市独自のマーケティング戦略だ。

車学峯(チャ・ハクボン)産業部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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