深セン市によると、昨年末現在で華強北にある通信電子分野の売り場は39カ所。このうち面積が1万平方メートル以上の売り場だけでも35カ所に上る。こうした売り場に2-3坪(6.6-9.9平方メートル)の陳列コーナーを出している1万余りの店が、ニセ携帯電話の卸売り・小売りを同時に行っているというわけだ。
中国ではコピー品、特にニセ携帯電話を「山寨(さんさい)」と呼ぶ。非公式の商品という意味で、もともとは「山賊の巣窟(そうくつ)」を意味する単語「山寨」を用いてそう呼んでいる。深センの「山寨」携帯電話文化は、市民100万人の生活の糧となるほどに大きい。香港の明報は、「華強北産業地域と付近の山寨携帯電話文化により、関連企業1000社余りの従業員20万人と、その背後にいる100万人の深セン市民までもが生計を立てている」と報じた。
中国ではコピー品がどれだけ売れているのか。今月7日付の明報は、「昨年、中国全域で売れた“山寨携帯電話”は2億台をやや下回る程度」と報じた。さらに同紙は「中国のニセ携帯電話の後方基地にして中心地は深センで、その深センでも華強北が中核だ」と説明。特に、ニセiPhoneの90%はここから中国全域に流出している、と同紙は報じた。
香港のI法務法人に在籍するキム某弁護士は、「中国の公務員がコピー品の製造・流通業者と癒着し腐敗していることが、ニセ物文化がなくならない根本的な要因だ。中国は国の体面を重んじ、手遅れになる前にコピー文化を根本から封じなければならない」と語った。
■山寨とは
辞書的な意味は、武侠(ぶきょう)小説に登場する「山賊の巣窟」。最近では「偽物」「模造品」を指す単語として広く使われている。オリジナル製品をほぼそっくり模倣した製品を山寨製品という。しかし中国では「山寨」という単語を、山賊の巣窟のようなマイナス面のある否定的な意味よりは、創意・創造など肯定的な意味で使うことが多い。
深セン=李恒洙(イ・ハンス)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版