「Anycall」と「Anycoll」、「iPhone」と「HiPhone」、「Nokia」と「Nckia」。
コピー品の世界的「総本山」といわれる中国で、家電製品、特に携帯電話のコピー文化は今や本物の取引秩序を完全に圧倒している。ニセ携帯電話の生産で100万人が生計を立てている中国南部・深センの携帯電話市場には、「橘子紅了蘋果暈了!」という流行語がある。「偽物(ミカン)がよく売れるから本物(リンゴ)が気絶した」という意味だ。
深セン市内で最もにぎやかな場所の一つ、華強北産業区域。往復4車線の道路の中央分離帯や歩道の真ん中に、サムスンやLGの広告が一定の間隔で並んでいる。大通りの両側には、サムスンやLGはもちろんノキアやアップル、モトローラなど世界各国の電子製品の代理店が立ち並ぶ。
18日(土)の午後2時ごろ、多くの人に押され大通りから路地の方へ20メートルほど入ると、「明通・数碼城(デジタル団地)」というやや古びた建物が見えた。中では数千人の業者や消費者、多くの携帯電話が入り乱れ、息が詰まりそうだった。
2階のエスカレーター横にある売り場にいた30代の業者が、記者の一行を呼び止めた。業者の名前は施少雄さん。サムスンの携帯電話F408を模倣したコピー品を示し、さまざまな機能を紹介しながら「機能は本物とほとんど同じ」と語った。
深セン=李恒洙(イ・ハンス)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版