2007年02月28日

オガ炭

オガ炭とは   〜 
オガ炭はオガクズを圧縮成型したものを炭材とした木炭の総称です。
製品により樹種も生産方法も異なり、一様に特性を語れるものではありません。

設備投資に大きな資金が必要なようですが、オガクズを再利用し近代化した窯で大量生産するため価格が安価で、形状も均一で使いやすく品質も安定しています。
そのため業務用として圧倒的なシェアを持ちます。
炭火焼き肉店の90%以上がオガ炭を使っていると思われ、日本の木炭需要の大部分を支えています。

黒炭・白炭の両方があります
ほとんどのオガ炭は黒炭ですが、燃焼温度を1000度ほどにまで上げ、白炭化させたものもあります。(下写真参照)
高温燃焼により、備長炭と同様の性質となり電気も通るようです。
白炭といっても備長炭のように灰をかけて消火するわけではないので、灰の付着はなく色は黒色です。
白炭には備長炭同様に臭気(煙)のないものもあります。

品質・価格はさまざま
オガ炭はほとんどが中国・マレーシアなどの海外で生産されていますが、一部に国産品もあります。
オガクズの樹種も様々で、針葉樹・広葉樹・南洋材など木材の加工過程で生まれたオガクズを使います。
業者さんでさえ何が使われているかわからないものも多いようですから、価格や産地に囚われず品質を見極めることが大切です。

価格は10kgで800円ほど〜4000円ほどまでと大きな差があります。
性能も大きく異なりますので、業務用として使用される場合は価格にとらわれず、各種を試してみることをおすすめします。
おおよそ価格と性能は比例するようですが・・・。
また、特性によって2種類を使い分けるお店もあります。
焼き肉店などでガス火を併用するロースタータイプの場合は、できるだけ安価な黒炭を好んで使われることも多いようです。

オガ炭.jpg
四角形、六角形と形状も若干異なり、
品質により表面の質感も異なります。







着火しにくい! が、長時間燃焼
一般に焼肉店などで使われ、オガ炭と称されているものは非常に着火しにくく、備長炭よりも、さらに着火に時間がかかります。
しかし、燃焼時間が長く火持ちがよいです。(下記の特殊なオガ炭など一部を除く)
燃焼の仕方は、白炭も黒炭も同様に一般的な黒炭のように一部から燃焼します。
オガ炭は白炭でも熱伝導率が低く、備長炭(白炭)のようにすぐに全体が赤くなって燃焼するものではありません。

着火方法
火力が必要なので、火起し器に入れ、ガス火で着火させるのが無難です。
屋外なら、着火剤などでは着火させにくいので、着火しやすい黒炭や木片を同時に燃焼させることをおすすめします。
屋外では調理の2時間前に着火させることをおすすめします。
炭全体に火が回ってから、なるべく風を送らず炎が納まってから調理してください。
お店では火種コンロを使用して、お客様の来られる前に着火させておくのが一般的です。

情緒がないところが残念ですが・・・
炭火特有の情緒がないので囲炉裏や火鉢での使用を嫌う方が多いですが、七輪なら安価な輸入黒炭を使用するよりオガ炭のほうがおすすめです。

備長炭は存在しません
オガ炭には「○○備長」というネーミングのものが多いのですが、オガ炭は備長炭の規定外ですから備長炭は存在しません。あくまでもイメージ?です。
備長炭の原木であるカシを使用したものも無いと思われます。



オガ炭の白炭と黒炭の燃焼---------------------------------------------------------------------------
オガ炭の白炭と黒炭の燃焼例です。
品質に大きな差がありますので、あくまでも一例としてご覧ください。
よく着火した細かい備長炭の上にのせ、無送風で放置しています。

←左の3つが白炭  →右の3つが黒炭
オガ炭 1.jpg








3時間後
送風しなければ3時間経っても、未着火部分が残っています。
オガ炭 2.jpg
←左の白炭は光っています。
赤外線量が多く炭火焼に向いています。

→右の黒炭は火力が弱く、灰が邪魔をして赤外線を遮断しています。



オガ炭 3.jpg
このように灰の多いオガ炭は、安価ですが火力がありません。







6時間後
灰をはらった状態です。
オガ炭 4.jpg
無送風のため→右の黒炭は燃焼が遅いです。
これは火持ちがよいのではなく、着火性能が劣るという方が正しいです。
送風すると黒炭の方が早くなくなります。








ハイカロ炭---------------------------------------------------------------------------------------
コーヒーの絞りカスで作ったオガ炭です。
「ハイカロ炭」は商品名です。
とても着火しやすいオガ炭で着火剤で簡単に着火し、完全着火すると臭気もなく、灰が少なく、火力があります。
火起し器を使ったガス火着火や木炭着火コンロでも簡単に着火します。

ハイカロ炭 箱

一般家庭の七輪でおすすめ品です
オガ炭なので形状的に情緒がありませんが、
趣味使用のオガ炭としては一押し!製品です。
着火剤が付属しています(屋外用)



ハイカロ炭2

完全に着火すると臭気もほとんどなく室内使用も可能です。
燃焼時間は一般的なオガ炭より短いですが、炭火料理には十分で、
コーヒー豆もなかなかやりますね・・・といった感じです。
炎が立ちやすいので、炭火焼きには、風を送らず静かに使う工夫が必要です。







簡炭:かんたん------------------------------------------------------------------------------------
ナラ、カシのオガクズから作られたオガタンです。(中国製)
「簡炭」は商品名で、ライターで簡単に着火することから付けられた名のようです。
マッチ練炭やマッチマメタンと同様にライターで着火するとシュ〜っと火薬が燃焼するように表面の火が広がって着火します。
着火が簡単というのは本当に魅力的です。
数分間強烈な煙と臭気が出ますので室内使用不可です。
また、完全に着火するまで時間がかかり、強い臭気がありますので、その間は室内への持ち込みやデリケートな食材の調理は避けた方が無難です。
揮発性はないので長期保管ができます。
燃焼時間は上記の一般的なオガ炭より短いです。
簡炭簡炭 3







灰がすごくしっかりしていて、ウチワで扇いだくらいでは飛んでくれません。
この灰が赤外線を遮断して火力を落としてしまう欠点がありますが、簡単、確実着火は魅力的です。
簡炭 3

右側が燃焼後の灰
持っても崩れないです。







ヤシガラ炭---------------------------------------------------------------------------------------
ヤシガラを原料にしたもので、エチルアルコニルなどを浸透させてあり、簡単に着火します。
七輪の燃料にもなりますが、できれば着火剤としての使用がおすすめです。
黒炭 ヤシガラ.jpg












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Posted by field5392 at 13:52 │TrackBack(0)この記事をクリップ!

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