yukawa

人気ブログサイトであり、ニュースサイトにも匹敵する媒体力を持っている『秒刊SUNDAY』(びょうかんさんでー)が、たった140円でJR名古屋駅からJR品川駅まで新幹線で行く方法と題し、堂々とキセル乗車を推奨する記事を掲載していることが発覚した。この記事を書いた人物は、「たった140円で東京~名古屋を往復できるお得情報です」としてキセル方法を以下の流れで説明している。

1. JR名古屋駅で入場券140円を購入して新幹線ホームに入る
2. そのまま東京行きの新幹線『ひかり』に乗車
3. 車両の正面入り口からできるだけ遠くに座る
4. するとなぜか車掌が来ない
5. JR品川駅(東京都内)に到着
6. 駅から出られないのでそのまま名古屋に帰る

このことについてロケットニュース24編集部がJR東海に問い合わせをしたところ、「入場券は新幹線のホームまでしか入れませんので、新幹線に乗ること自体がルール違反です。そのまま乗って移動するなんてことは許されることではありませんし、悪質(意図的・積極的挙動)ですと通常の数倍の金額を請求することになります」とのこと。また「ケースによっては念書を書いてもらうなど、厳しく対応する場合もあります」とのことで、これはキセルという犯罪行為であることがわかった。

<このキセルをした人物の問題点>
堂々とキセルをしている
意図的に車掌に見つからないようにしている
見つからなければ悪いことではないと思っている?
JR品川駅から出なければ大丈夫だと思っている
改札から出られないので帰りもキセルをした可能性あり
読者に推奨(やり方説明)するような記事になっている

秒刊SUNDAY』にこの記事を書いた人物は「他人に迷惑をかけない、健全なネタです」ともコメントしており、まったく罪悪感がないことがうかがえる。自分の写真も記事に掲載しつつ、「健全なネタ」として紹介しているところが、非常に危険な記事である。また、「切符を買い、新幹線に乗り込みます。新幹線は、ひかりに乗りましょう。プレートに赤背景にひかりと書いてあればひかりです。これはプレートが青いので『こだま』です。豆知識として黄色はのぞみです」と、乗り方まで説明していることから、この記事を読んだ読者にキセル行為を推奨するような記事になっている。

ほかにも「このまま、JR品川駅でおりて遊びたいのですが、勿論降りることは出来ないので引き返します」と記事中でコメントしているが、名古屋で新幹線に乗車してしまうこと自体がNGであり、そのまま戻ったところで罪を重ねるだけである(厳密にはダメだが、JRでは見送りのために停止している車内に乗っている人に対してはスルーしている模様)。

JR東海は当編集部の取材に対して、「そのサイトについて詳しく調査してみます」とコメント。このような犯罪をうながすような記事は、子どもが間違った常識を身につけてしまうだけでなく、大人が犯罪行為として真似をするケースにつながりかねない。どんな記事を書けばどのような影響が世に出るのか、そこまで考えて行動して欲しいものだ。

この記事を読んだ人のなかには、チケットに刻印や穴がないことから「本当は正規料金でチケットを購入してキセルしてないんじゃないか?」という声もあったが、その場合は読者にキセルをする方法として教えておきながら、自分だけは手を汚していない記事を書いていることになり、これは言語道断のかなり悪質な手段であり、犯罪のほう助、そしてJR東海の営業妨害記事ということになる。

今回のケースに関しては、記事を書いた本人が犯罪行為だということに気がついていないのかもしれないが、当編集部では警視庁(もしくは管轄内の鉄道警察)に今回のキセル記事について、犯罪のほう助の可能性も含めて、どのような犯罪に結びつくのか取材をする予定だ(キセル紹介記事の画像はこちら)。

※追記:その後、記事を書いた人物がJRまたは警察に説明に行くとの記事が掲載されたため、当編集部で追加取材を行わないことに決定した(2009年5月6日10時31分)。

※※追記:記者に確認を取りましたところ、JR名古屋駅ではなくJR名古屋駅を管轄しておりますJR東海(05037723910)に電話をし、対応した女性スタッフに話を聞いたとのことでした。記事のJR名古屋駅という表記をJR東海に修正いたしました。関係各社(各人)に深くお詫び申しあげます(2009年5月6日15時24分)。