旧チボリ・ジャパン(チ社)社長で、現在は清算会社代表清算人の坂口正行さん(69)が21日、倉敷芸術科学大(倉敷市)の公開講座に登壇する。テーマは「倉敷チボリ公園は何故閉園に追い込まれたか」。同事業をテーマに初めての講演に臨む坂口さんは、「第三セクターの問題点など事業から引き出せる多くの教訓を伝えたい」と話している。【井上元宏】
坂口さんは06年6月、倉敷国際ホテル社長から当時チ社会長だった石井正弘知事の要請を受けてチ社社長に就任。05年度で累積赤字113億円を抱えた同社の再建に奔走した。しかし、その後県が地代支援の打ち切りを決め、同園は昨年末に閉園、会社も解散した。
昨年末の記者会見で、坂口さんはチボリ公園事業を「元々やってはいけない戦争。多くの戦費と犠牲者を出し、撤退決定も長引いた」と例えた。「事業構想時の収支計画も甘く、初期投資も過大。議会のチェック機能は働かず、開園後も課題の解決に向けリーダーシップがとれなかったのは、第三セクターゆえの問題点があった」と振り返る。
公開講座での講演は、外部講師を務める同大から打診を受けて承諾。テーマは自ら選んだ。「行政と民間の協働という言葉が流行しているが、その実情はどうなのか。チボリ事業での体験を丁寧に話すことで、市民の方に考えてもらえることがたくさんあると思う」と話している。
講座は21日午後1時10分から、同大2号館2302教室で。受講無料。問い合わせは同大入試広報課(086・440・1113)。
毎日新聞 2009年5月5日 地方版