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家賃抑制に魅力、注目集めるルームシェア
- 暮らし・話題
- 2009/05/05
長引く不況の影響で、一つの家に家族や恋人以外の人と同居する「ルームシェア」に注目が集まっている。家賃を抑えられるのが魅力で、インターネットでルームメートを募集する掲示板のアクセス数は昨年秋以降、一・五倍に。金銭トラブルなどの危険性も指摘されるが、利用者からは「一人暮らしより広い部屋に住めるのに貯金できる」との声が上がっている。
「このご時世で節約したい」、「派遣会社勤務。一万円で借りたい」、「生活費浮かせたいので余った部屋貸します」。インターネット掲示板「ルームメイト・カフェ」には、常時約八百件の書き込みが掲載されている。管理人の石川智也さん(38)=横浜市青葉区=によると、現在の掲載件数は、昨春と比べて約一・五倍。ルームシェアを題材にしたテレビドラマの影響もあり、数年前から関心が高まっていたというが、石川さんは「不況と言われるようになった昨年秋からアクセス数が急に増えた」と話す。
掲示板利用者の中心は二、三十代。家賃を抑えて借りたいという人だけでなく、広い間取りで一人暮らしをしていた人が余った部屋を貸すケースも目立つ。「長い目で見て、今後給料が減り、一人で家賃を払い続けるのが困難と判断したのでは」と石川さん。
日本で初めてのルームシェア専門の不動産会社「BGJ」(東京都千代田区)でも、過去一年間(二〇〇七年十一月~〇八年十月)の物件紹介件数が約百六十件だったのが、今年は三倍に増えそうだという。解雇で退寮した元派遣社員でルームシェアを始めた人もいる。
同社の伊藤吾多社長(24)は「ネットを通じてさまざまな人と知り合う機会が増え、人とのつながりを大事にする若者が増えた。住まいに対する考えが欧米化してきた」と背景を分析し、「経済情勢(不況)がさらに後押ししている」と話す。不動産業者からの「空き部屋をルームシェアにしたい」という相談も増えているという。
横浜市南区前里町の会社員小松由和さん(24)は、“ルームシェア初心者”の一人。三月中旬に一人暮らしをやめ、友人の会社員桶矢広樹さん(24)と2LDKのマンションで生活している。家賃は折半で五万五千円程度。リビング(十畳)は共用で、残る二部屋(約六畳)がそれぞれの個室だ。
一人暮らしだったころに比べて家賃が一万五千円安くなり、毎月五万円以上貯金しているという小松さんは「残業代が減った分、家賃が下がって助かった。個室があればいい距離感も保てる」と、ルームシェアの魅力を話している。
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