麻生首相は現地時間5日、ドイツでメルケル首相と会談し、世界な金融危機を克服するため、両国で協力していくことを確認した。ヨーロッパ歴訪を終えた麻生首相について、政治部・富田徹記者が報告。 麻生首相の今回のヨーロッパ歴訪は、日本の景気対策を積極的にアピールする狙いもあった。ドイツの経済誌のインタビューに応じたほか、ベルリンの大学で講演も行った。講演で、麻生首相は「(日本のバブル崩壊後の不況では)大規模な財政出動以外、景気回復の処方せんはありませんでした。1500億ドルの財政出動を実施に移そうとしています」と述べた。
講演で大見えを切った麻生首相だが、帰国後に本格化する補正予算案審議は波乱も予想される。野党側は慎重な審議を求めているが、麻生首相は記者団との懇談で、「野党が審議を引き延ばすなら『さっさと解散しろ』との声が出てくるかもしれない」と強くけん制するなど駆け引きが始まっている。また、「総選挙と7月の東京都議選の時期が重なることもあり得る」と話したことには、連立を組む公明党が反発することも必至な情勢。
訪問国との友好ムード演出が中心だった外遊を終えた麻生首相。帰国すれば、うってかわって厳しい駆け引きの場面が続きそうだ。