ドライブで花見
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車で、ドライブをしました。
もう名前忘れたけど、とある名所に行ってみた。
この時期、桜がたくさん咲いているらしい。
情緒あるこの景色。
ここはゆるやかな坂道になっている。 ジーパンに両手ポケットを入れ、坂の重力にまかせるように歩くつもりで小走りしてみると、 ダッダッダ、と歩くたびにあごの骨が響き、自分の無気力さを感じるような予感がした。
現地に着くと、やはり人がいた。
あまり関わりたくないが、それでも気になる存在。 この二人は、きっと休日の余暇としてバドミントンを楽しんでいるのだろう。 何も害はない。そう言い聞かせた。 けど、話しかける気までは起こらなかった。 そんなことを思いながら、愛用のKissDXのシャッターを切った。
駐車場がいくつかあって、下段にもいくつも広いスペースがある。
こんな場所を占有し、夜な夜な天体写真撮影を出来たらどんなに楽しいだろう。 たった一人だけの場所。占有。独り占め。 ここなら、3日間はこもれるだろう。 夜はロマンチックな満天の星空。 煌々と光るPCモニターと向き合い、夜通し健全な写真撮影を満喫することが可能です。
夜空を見上げ、僕はおもむろにタバコを吸う。
マイルドセブン・スーパーライトだ。 たとえそいつを撮影地で吸ったとしてもだ。 こんなロマンチックな夜空の下で、僕はそれをアスファルトの上でもみ消すことなんて、出来ない。
携帯用灰皿を常に持ち歩き、煙を吐き出しては風向き状態を確認する。
いくらピラーとは言え、突風の吹く方向ぐらいは常に予想しておかねばならないからだ。
空・花・鳥・湖。
僕は何も悪いことなんてしていない。
そんな妄想が瞬時によぎり、ふと振り返るとさっきの先客はすでにいなくなっていた。
さっきは邪魔者扱いしていたけど、いざいなくなるとちょっと寂しさもある。
日はすでに西に傾きつつある。
僕は逆光に弱い。 ついついカメラを向けてしまうのだ。
もしこの場所で機材を設置しはじめるなら、こんなにベストなシチュエーションはない。
こんな時間から設置出来れば、薄明終了と共にシャッターが開けられる。 ピラーの置き場所、発電機の排煙方向、タバコや空き缶を捨てるごみ袋。 普段余裕がなくて気にかけないような、あらゆる最適撮影条件をイメージし設置にとりかかるの だろう。 自分だけがただ良い写真を快適に撮りたい。 その願望を満たすために行う段取りのあれこれ。 大自然を相手取り、緻密な計算をする。 このひと時にいつも爽快感を覚える。 何て健康的・頭脳的な趣味なんだろう。 天体写真をやっていて、本当に良かった。
ふと、順光方面を眺める。
つい今しがた温めていた妄想天体写真撮影計画は、観光客によって台無しになってしまった。
何故かシャッターを切ってしまったが、こんな写真は捨てるしかないようなカットだ。
まるで定例儀式のように、人々が振舞う行動パターンは決まりきっている。
もう一度逆光方面(北西)を望む。
石段の上に車がとまっている。 風景鑑賞にはべスポジだけど、誤ってアクセルを踏んだ時のことを思うとぞっとする。
今度は、北西高度30°方面を眺める。
これはロープウェイというのか、遠くがかすんで見える。 春先の天体低空撮影が、いかに難しいものであるか… この風景を見て、それをひしひしと感じ取った。
日は沈みかけ、いい感じの斜光が差す限られた時間帯に突入した。
琵琶湖の向こうでは、例えばイオンモールとか、あらゆる大型ショッピングセンターが建設されている。
この時間帯にここを出発すれば、人ごみではあるが楽しい夕食のひと時を過ごすことが出来るに違いない。
そんなことを考えると、急におなかが空いてきた。
同時に、妙にうきうきした気分になった。 それはきっと、この地の美しさのみならず寂しさも同時に肌で感じ取った証しなんだろう。
そう、僕には街がある。
街灯りでこうこうと賑わう人だかりの中に紛れ込む手段を持っている。
それは自動車。
こいつがあれば、思いつきと行動力と運転操作次第で、色々な体験をすることが出来るのだ。
自動車を無意味に走らせて、さぞ自分勝手な奴だと思われるかもしれない。
けど、僕は自由。 そこに変わりはない。
おそらく本日のベストショット。
どうだ、いい感じかい?
いや、こんなのはいくらでも見てきたよ。 ああそうか、けど僕の中ではこれはまぁまぁなんだ。
順光方向では、頑張ってもロクな絵にならない。
僕の撮影技術が悪いのか? いや、ここの風景がショボいだけだろう。
自然との一体感を味わった休日。
僕はこの後予告通りイオンモールへ行き、フードコートコーナーで天下一品のこってりラーメンを 食べたのだが、これが粉っぽくてマズかった。 人もうじゃうじゃいるし、落ち着かない。
自然の中では人ごみを懐かしみ、街中では自然を想う。
結局僕は、現実逃避をしたいだけなんだろうか? …いや、そうではないだろう…。 僕は、星ナビに傑作プリントをぶち込みたいだけなんだ。 何も僕は、悪いことはしていない。
そう、何度も再確認した。
これからもずっと、その繰り返しなんだ。
僕は何も悪いことはしていない。
いや、悪の大半は僕が引き起こしているのかもしれない。
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今日一日家の草取りをして疲れた私の体に沁みるわぁ〜。
ぼぉ〜っとしながら繰り返しよっちゃんの言葉を読んじゃった。
私は写真に言葉を添えることが多いけど、よっちゃんは逆だよね。
言葉に写真が添えられてる。
それがとっても心地がいいんだ…と、この記事で今頃気がついたよ♪
がんばってぶち込んでね(゚▽^*)ノ⌒☆
2009/4/22(水) 午後 10:39
はるっち
遅くなってごめんね。
草取り、腰が痛くなるよね。
僕の実家でも、よくそれをやりますよ。
色んな虫とかに遭遇するので、たまにやると結構新鮮ですよね。
虫は殺すことが出来ないけど…。
この記事についてだけど、すごく不評なんだよ。
月並みな日記ってあるじゃんか。
例えば、今日はどこそこへ行きました。こんなお寺や景色があって、ここはいついつに建てられたものです。夕食をすませ、帰宅しました。楽しい一日でした…と。
そういうスタイルではつまらんなーというのがいつもあるんです。
もっと楽しい話題が自分の生活の身の回りにあればよいのですが、そうもいかないので、だったらその景色を見て感じる自分自身がちょっとおかしな奴を演じれば楽しいだろうと、いうことなんですよ。
おかげで、すっかりナルシストや気違い扱いだけどね。
2009/4/25(土) 午前 11:16 [ yottyan_cryyagi ]
そうそう、例えばさ。
おそらく本日のベストショット。ってあるけど、
ここに、カッコ書きで
おそらく本日のベストショット(←自分で言うな!笑)
ってつけたらさ、
いっきに読み手は冷めるって思ってしまうんです。
あーあ、こいつ本当におかしな奴だと思ってたけど、何だ演技なのかーって。
お笑いにボケと突っ込みがあるように、ブログの突っ込みって読み手に任せるもんだろうというのがありますね。
冒頭で「天体写真のプロフェッショナル」とうたっているのも、そういう部分がありますね。「何言ってんだ?こいつ。」と興味をひかせたいのですよ。力ずくではありますが、結構人の関心をひく効果はあるのでは、と思ったりします。
2009/4/25(土) 午前 11:21 [ yottyan_cryyagi ]
こんばんは。ごぶさたしています。いつもROMしてますよ。この一連の写真は私のお気に入りです。柔らかさと繊細さが同居していて。1枚目などは、自分もここにいたら絶対撮るよと思わせる構図でした。9枚目も綺麗ですね〜。ぼくはこのシチュエーションで実際に車落としたことがあるんです!本日のベストショットは涙が出そうになる一品でした。ぼくにとっては、若さっていいな〜と、自分にとってのいろいろなことがあったそれぞれの桜との日々を思い出させてくれるノスタルジックな作品でした。傑作!
2009/4/26(日) 午前 1:01
素晴らしい写真と文章で、ため息が出ます。逆光は知っていたが順光は知りませんで、中国の地名かと思いましたよ。最後の写真は思い切って大きくし、桜が幾重にもなっている様子が良く分かります。私のブログは完全に記録化しています。
2009/4/29(水) 午後 3:22
Guri Guriさん
こんにちは!
すっかりお返事が遅くなって申し訳ありません。
花見のスナップを気に入って頂いて嬉しいです。
車転落って、大丈夫だったのですか?
簡単に言いますが、それって大損害ですよね。
若さですかー、確かに若さっていいですが年を重ねないと気が
つかないこういった情緒感とかってありますよね。
僕もまだ20代の頃は、景色とかどうでも良かったころがありますが
最近はちょっとずつ風情とかそんなものが感じ取れるようになって
きたかなって思います。
久しぶりにコメント頂きありがとうございました。
2009/5/2(土) 午後 5:51 [ yottyan_cryyagi ]
マンジュラさん
こんにちは!
逆光も順光も、どちらも良い写真って撮れるのでしょうけど僕の
撮影が下手でついつい偏った撮影になってしまうのですよ。
桜って季節ものなので、何度見ても飽きませんね。
毎年同じような写真ばかりですが、記録することも無意味ではないような気がします。当時の自分を思い出しますね。
2009/5/2(土) 午後 5:53 [ yottyan_cryyagi ]