白の旋律〈白の光〉~旋律№121 零~
〈白のbreath-point〉
旋律№121 零
白
星が泣いた暁
今日の夜空には下着ばかりが泳ぐ
タマゴ型の恋をしました
傘の花を一番に開かせたのはボクでした
視界にフェンスがかかっているようで何も見えません
カフェ色の空は薫る三月
呼吸できる場所が狭いぜ
擦れ違う電車に羨ましさを感じました。向こう側の方がなんだか春に近い側のような気がして
ボクを抱く影になって下さい
通り過ぎる老夫婦
「なんとなく愛してる」
枯れ木騒ぎカラス啼き
掌に沈んだあめ玉は
潜水してしまった星を掴まえたくて
「心の万歩計をはずして下さい」
「どこか遠くへ行きたい」の意味が分かり始めた気がします
まだ知らない雪に囲まれたり森に囲まれたり海に囲まれたり自分を見失うくらい自分と近い場所で対峙して自分と世界との緊張した境界線を忘れたくなるのでしょう
時にはなにも感じようとせず入ってくるモノが身体中を循環してまた外へと出て行くような時間
「止まればそこが、自分のゴール」
「そこからは何が見えていますか?」
自分の名前が「愛」だなんて考えたらきっとボクはやってられません
嘘でこしらえたような甘さは実に懐かしいものです
「異う国の人」という言い方ならばいかがでしょう?
一+一が三になったなら明日からの世界はどうなるのでしょう?
今日という日も捨てられ続ける薄っぺらなレシートのように
冷え切っためざしのような目をした小学生なんて見たくはないよね
「普通の過去」にありもしない負荷をかけて話す醜き者
いつかこの行いが足枷となり砂金のように散って行く日が来るのだろう
嘘吐きがホラ貝を吹きました
このシュークリームは灯りを消して食べよう
覗き穴の光の点に不思議な感情を覚えた
誰も通らない暗い階段を見つけたい
世間を背にして食事ができる幸せ、独りカウンター
雲がまた優しさを見せる
雲がまた優しくしてくれる
雲のようにまた優しくなれるかなあ
このケータイの残りの電池がボクの希望だとしたら
写真には素顔を見せない夜桜のように
眼鏡の内側から縁際を見ると古くさい二本だけの虹がぼやけて見えた
運動会で違う想い出が残ったあの長い一瞬もタイトルもサビも思い出せずに終わってったあの曲も初めて珈琲を飲んだドキドキのあの夜も
碧色の空にクリアマーカーで引っぱった無性ラインは
サクラの消えない公園で、一生子どもをやっていたいと思いませんか?
二三の身体を抱きしめて
地図は嘘を吐きます
薬だよ、黄色いのも緑色のもそれもぜーんぶみーんな薬だよ
ダレカに向けたヤジルシ、この場所は圏外らしい
ケータイのキミへ「静かにしておくこと」
俺の身体は肢体ドラム、もう取り返しがつかない音楽
背中を凶暴に改造したい紅sex
独りで暮らして毎日毎日独り分の塩っ辛い味噌汁を作っては飲んで、それが塩っ辛い味噌汁だったなんて事実を知らずに尽きて行くんだ俺なんかは
「素顔にしてください」
トイレットペーパーの崩壊
胃液の雨が降り出しました
世界が元に戻り始めます
自分が前だと信じた道に足を踏み出してみればいい
そのうちの俺を探して
道に咲く花をただきれだと思えるようになりました
帽子をかぶると狂暴になれるよね
最近では社会の画として乞食も必要なのかなって思えてきた
朝の空気をドラゴンのように吸い込んで
毎日が水のように過ぎてゆく、呼吸に一切の抵抗を感じない
空に向かって飛んでった左足のスニーカー
空気の入り込まない浅暗い深海の身を潜めていたい
♪たちがラインダンスする白夜
オレンジ味してるアイスキャンディーって想って舐めてみたらそれは実は太陽で舌がダラダラに溶け落ちてしまってもう本当のアイスキャンディーは感じられなくなってしまって
「降りました、世界」
「さよなら」という漢字があればいいのに、このままだとあの子に悲しみが強く伝わりすぎてしまうから
内側から玄関のドアを開けた瞬間ぎざぎざの図太い刃先がこの腹に飛び込んで来る映像が連写される毎日
前代未聞の前人未到
降りしきる春雨のように続く続く句読点の旋律が
一生懸命に水をこぼしているネコが
秋になると記憶の花が咲き始めます
この街の色に同化できるようにと
ある雨の日にいつものように玄関を出て鍵を閉めようとすると視界に異変を感じた。見ると自分がいつも使っている傘が左下の視界にあった。壁に立てかけてあった。自分の右手には当然傘を持っている。それと同じものが左下の視界にある。ダレが、一体ダレとダレとダレとが自分をこんなに至近距離で見ているんだろう。雨の日の玄関に立ち止まる時間が永く感じられた。
「声魂」を「こだま」、いかがでしょう?
苛立つ日には帰り道がササクレダッテ見えるから
空は一筆書きでは描けませんものね
缶ジュースみたいにしつこく薄められた人生だ
「上昇気流」という言葉が好きです
片羽と片羽
「ボタンをはずします」
誕生日 二〇〇九/五/二〈土〉
編集完了日 二〇〇九/五/二〈土〉
ps さてと、
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