通行料金の大幅値下げで連日大渋滞の高速道路や、新型インフルエンザの緊張感に包まれる空港。異例の状況下での大型連休も、きょうの「こどもの日」で大詰めに向かう。
こどもの日が制定されたのは戦後間もない一九四八年のこと。趣旨には、子どもの人格を重んじ、幸福を図ることなどがうたわれている。子どもたちの健やかな成長を願うとともに、平和で豊かな日本の明日を託す期待感がにじむ。
「端午の節句」でもあるこの日にちなんだ食と言えば、ちまきや、かしわもちがある。ちまきは真菰(まこも)など香り高い葉で包んだ厄よけの菓子として、カシワは新芽が出るまで葉を散らさず家系が続く縁起の良さが好まれた。
しかし、いまの子どもを取り巻く環境は厳しく複雑だ。児童虐待や捨てられる乳幼児は後を絶たない。少子化による家族の期待の高まりが子どもの負担感を増す。
小学生では、学年が進むにつれて自分を好きでなくなるとの調査結果もある。子どもから夢や自信を奪わないためには、どうすればよいのか。児童読み物作家の山中恒さんは、身近にあこがれの対象が必要だとした上で、それは「親だ」と言う。
なかなか難しいことだが、子どもは親が思う以上に親を観察し、信頼度を探っている。まずは、わが子と向き合ってみよう。