北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律施行規則
(平成十四年十二月二十四日内閣府令第八十六号)


最終改正:平成一八年三月三一日内閣府令第三〇号


 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律 (平成十四年法律第百四十三号)第四条 及び第五条 の規定に基づき、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律施行規則を次のように定める。

(帰国等に伴う費用の内容)
第一条  北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律 (平成十四年法律第百四十三号。以下「法」という。)第四条 に規定する帰国又は入国に伴い必要となる費用(以下「帰国等に伴う費用」という。)とは、法第二条第一項 に規定する被害者又は被害者の配偶者等(以下それぞれ「被害者」又は「被害者の配偶者等」という。)が北朝鮮を出発してから本邦における滞在予定地で滞在を開始するまでに必要と認められる交通費、宿泊料、食費及び医療費その他の費用をいう。

(一時帰国等に伴う費用)
第二条  被害者又は被害者の配偶者等が法第二条第一項 に規定する被害者の家族の訪問等の目的で本邦に一時的に帰国又は入国する場合には、前条に規定する帰国等に伴う費用の負担は、次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。
 被害者又は被害者の配偶者等が被害者の北朝鮮当局による拉致以後初めて一時的に帰国又は入国する場合。
 被害者又は被害者の配偶者等が最後に本邦に帰国又は入国した日から一年が経過した後に初めて一時的に帰国又は入国する場合。
 前二号に規定するもののほか、永住の意思を決定するために必要な一時的な帰国又は入国と認められる場合。

(拉致被害者等給付金の支給)
第三条  法第五条第一項 に規定する拉致被害者等給付金の支給は、帰国被害者等(法第三条第二項 に規定するものをいう。以下同じ。)が本邦に帰国又は入国後永住の意思を決定し、第七条第一項による支給の申請を行った場合、その日の属する月の翌月から行うものとする。
 拉致被害者等給付金の支給期日は、各月の十日(その日が日曜日若しくは土曜日又は休日(以下「日曜日等」という。)に当たる場合は、その日の直前の日曜日等でない日)とする。

(拉致被害者等給付金の額)
第四条  拉致被害者等給付金は世帯ごとに月を単位として支給するものとし、その月額は、次の各号に掲げる額とする。
 同一の世帯に属する帰国被害者等が一人の場合においては、十七万円
 同一の世帯に属する帰国被害者等が二人の場合においては、二十四万円
 同一の世帯に属する帰国被害者等が二人を超える場合にあっては、その超える数が一人を増すごとに三万円を前号に規定する額に加算した額

(拉致被害者等給付金の額の特例)
第五条  拉致被害者等給付金の支給を開始する月については、前条中「十七万円」とあるのは「六十八万円」と、「二十四万円」とあるのは「九十六万円」と、「三万円」とあるのは「十二万円」とする。

(修学中の帰国被害者等)
第六条  修学のため一の市町村の区域内に住所を有する帰国被害者等であって、修学していないとすれば他の市町村の区域内に住所を有する他の帰国被害者等と同一の世帯に属するものと認められるものは、当該世帯に属するものとみなす。

(拉致被害者等給付金の支給の申請)
第七条  拉致被害者等給付金の支給を受けようとする者は、拉致被害者等給付金支給申請書(様式第一号)を内閣総理大臣に提出して申請しなければならない。
 前項の申請書には、拉致被害者等給付金等受取金融機関に関する届(様式第二号)を添えなければならない。
 内閣総理大臣は、前項に掲げる書類のほか、拉致被害者等給付金の支給の決定に必要な書類の提出を求めることができる。

(決定及び通知)
第八条  内閣総理大臣は、前条第一項の申請があったときは、拉致被害者等給付金の支給の要否及び額を決定し、申請者に対して書面をもって、これを通知しなければならない。

(決定の取消し)
第九条  内閣総理大臣は、帰国被害者等が虚偽の申請その他不正な行為によって拉致被害者等給付金の支給を受けた場合においては、前条の決定の全部又は一部を取り消すことができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定による取消しをしたときは、当該帰国被害者等に対して書面をもって、その旨を通知しなければならない。

(拉致被害者等給付金の支給の制限)
第十条  拉致被害者等給付金は、一の帰国被害者等の前年の恒常的な所得(拉致被害者等給付金による所得を除く。以下同じ。)が年額二百万円以上となった場合には、その年の八月から第四条の規定により定められた額から当該者一人につき三万円を減額する。
 拉致被害者等給付金は、一の帰国被害者等の前年の恒常的な所得が年額五百八十万円を超えた場合には、前項の規定によるほか、その年の八月から第四条の規定により定められた額から当該者一人につきその前年の恒常的な所得から五百八十万円を控除して得た額に十分の五を乗じて得た額を十二で除して得た額に相当する額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てるものとする。)を減額する。
 拉致被害者等給付金は、第一項の規定により支給を減額する額と前項の規定により支給を減額する額との合計額が第四条の規定により定められた額以上となった場合には、その年の八月からその支給を停止する。
 内閣総理大臣は、第一項若しくは第二項の規定により支給を減額したとき又は前項の規定により支給を停止したときは、当該帰国被害者等に書面をもって、その旨を通知しなければならない。
 内閣総理大臣は、第一項から第三項までの規定にかかわらず、失業等の理由により、拉致被害者等給付金の支給の減額又は停止を受けた帰国被害者等の当該年における恒常的な所得が、第一項若しくは第二項に規定する年額を下回ると見込まれる場合又はその前年の恒常的な所得の十分の九を下回ると見込まれる場合には、第一項若しくは第二項の規定による支給の減額の取消し、第二項の規定により支給を減額する額の変更又は第三項の規定による支給の停止の取消しを行うことができる。

(届出)
第十一条  拉致被害者等給付金を受給する帰国被害者等は、次に掲げる事項を記載した現況届(様式第三号)を、毎年六月三十日までに内閣総理大臣に提出しなければならない。
 帰国被害者等の氏名、性別、生年月日及び住所
 帰国被害者等の前年の所得の額
 前項の現況届には、次に掲げる書類を添えなければならない。
 住民票の写しその他前項第一号に掲げる事項を証明することができる書類
 前項第二号に掲げる事項についての市町村長の証明書
 拉致被害者等給付金を受給する帰国被害者等は、氏名又は住所を変更したときは、遅滞なく、当該事項が生じたことを明らかにすることができる書類を添えて、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
 拉致被害者等給付金を受給する帰国被害者等は、受取金融機関又は受取郵便局を変更しようとするときは、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
 拉致被害者等給付金の支給の減額又は停止を受けた帰国被害者等は、前条第五項の規定による支給の減額の取消し、支給を減額する額の変更又は支給の停止の取消しが行われることを希望する場合には、遅滞なく、当該事項が生じたことを明らかにすることができる書類を添えて、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
 内閣総理大臣は、帰国被害者等が、正当な理由なく第一項の規定による届出をしないときは、拉致被害者等給付金の支給を一時差し止めることができる。

(滞在援助金の支給期間)
第十二条  法第五条第二項 に規定する滞在援助金の支給は、被害者が本邦に帰国後、次条による支給の申請を行った場合、その日の属する月(当該日が第十五条において準用する第三条第二項に規定する支給期日以降である場合にはその翌月)から始め、被害者が永住の意思を決定し、第七条第一項による拉致被害者等給付金の支給の申請を行った日の属する月で終わるものとする。

(滞在援助金の支給の申請)
第十三条  滞在援助金の支給を受けようとする被害者は、滞在援助金支給申請書(様式第四号)を内閣総理大臣に提出して申請しなければならない。

(滞在援助金の支給の停止)
第十四条  内閣総理大臣は、滞在援助金を支給している被害者の配偶者等が帰国又は入国したこと等により被害者が永住の意思を決定することができるにもかかわらず、正当な理由なく永住の意思を決定しないと認められる場合においては、その支給を停止することができる。
 内閣総理大臣は、前項の規定により滞在援助金の支給を停止した場合には、当該被害者に対して書面をもって、その旨を通知しなければならない。

(準用)
第十五条  第三条第二項、第四条、第六条、第七条第二項及び第三項並びに第八条から第十一条までの規定は、滞在援助金において準用する。この場合においては、第三条第二項中「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、第四条中「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、「帰国被害者等」とあるのは「被害者」と、第六条中「帰国被害者等」とあるのは「被害者」と、第七条第二項中「前項」とあるのは「第十三条」と、同条第三項中「前項」とあるのは「第十五条において準用する前項」と、「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、第八条中「前条第一項」とあるのは「第十三条」と、「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、第九条中「帰国被害者等」とあるのは「被害者」と、「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、「前条」とあるのは「第十五条において準用する前条」と、「前項」とあるのは「第十五条において準用する前項」と、第十条中「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、「帰国被害者等」とあるのは「被害者」と、「第四条」とあるのは「第十五条において準用する第四条」と、「前項」とあるのは「第十五条において準用する前項」と、「第一項の」とあるのは「第十五条において準用する第一項の」と、「第一項若しくは第二項」とあるのは「第十五条において準用する第一項若しくは第二項」と、「第一項から第三項まで」とあるのは「第十五条において準用する第一項から第三項まで」と、「第二項の規定により支給を減額する」とあるのは「第十五条において準用する第二項の規定により支給を減額する」と、「第三項の」とあるのは「第十五条において準用する第三項の」と、第十一条中「拉致被害者等給付金」とあるのは「滞在援助金」と、「帰国被害者等」とあるのは「被害者」と、「前項の」とあるのは「第十五条において準用する前項の」と、「前項第一号」とあるのは「第十五条において準用する前項第一号」と、「前項第二号」とあるのは「第十五条において準用する前項第二号」と、「前条第五項」とあるのは「第十五条において準用する前条第五項」と、「第一項」とあるのは「第十五条において準用する第一項」と読み替えるものとする。

(フレキシブルディスクによる手続)
第十六条  次の表の上欄に掲げる規定中同表の下欄に掲げる書類の提出については、これらの書類の各欄に掲げる事項を記録したフレキシブルディスク並びに申請の趣旨及びその年月日並びに申請者の居住地を記載するとともに、申請者が自ら署名した書類(次項において「フレキシブルディスク等」という。)を提出することによって行うことができる。
第七条第一項 様式第一号による拉致被害者等給付金支給申請書
第七条第二項 様式第二号による拉致被害者等給付金等受取金融機関に関する届
第十一条第一項 様式第三号による現況届
第十三条 様式第四号による滞在援助金支給申請書

(フレキシブルディスクの構造)
第十七条  前条第一項のフレキシブルディスクは、工業標準化法 (昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)X六二二三号に適合する九十ミリメートルフレキシブルディスクカートリッジでなければならない。

(フレキシブルディスクへの記録方式)
第十八条  第十六条第一項のフレキシブルディスクへの記録は、次に掲げる方式に従ってしなければならない。
 トラックフォーマットについては、日本工業規格X六二二四号又は日本工業規格X六二二五号に規定する方式
 ボリューム及びファイル構成については、日本工業規格X〇六〇五号に規定する方式

(フレキシブルディスクにはり付ける書面)
第十九条  第十六条第一項のフレキシブルディスクには、日本工業規格X六二二三号に規定するラベル領域に、次に掲げる事項を記載した書面をはり付けなければならない。
 申請者、提出者又は届出者の氏名
 申請年月日、提出年月日又は届出年月日

   附 則

 この府令は、法の施行の日から施行する。
   附 則 (平成一八年三月三一日内閣府令第三〇号)

 この府令は、平成十八年四月一日から施行する。

様式第一号 (第7条関係)
様式第二号 (第7条関係)
様式第三号 (第11条関係)
様式第四号 (第13条関係)