4月30日(ブルームバーグ):スイス最大の銀行UBSは30日、
米富裕層の脱税ほう助をめぐる米国での訴訟で、UBSが米国人顧客
5万2000人の氏名の開示を強制された場合、スイスの刑法に抵触する
要求になると主張した。
UBSはこの日、2月19日に提起された訴訟への回答書をマイア
ミの連邦裁判所に提出。UBSはこのなかで、米当局が内国歳入庁(I
RS)の命令執行によって、スイスの主権を踏みにじろうとしている
と批判した。
UBSは2月18日、米国での脱税ほう助をめぐる訴追を避けるた
め、7億8000万ドルの制裁金を支払い、IRSに一部顧客の氏名を開
示することで米司法当局と和解した。UBSの顧客2人がその後訴追
され、IRSは顧客らに対し、刑事責任を回避するため自主的に海外
口座を開示するよう働き掛けている。
UBSは和解の一環として、2000年から07年にかけてスイスの
プライベートバンカーらが、パナマや香港、英領バージン諸島などの
タックスヘブン(租税回避地)にある架空のオフショア企業を通じて
米国人顧客の脱税をほう助し、納税者ではなく、それらの企業が口座
を所有する受益者だと記載した虚偽の書類を作成したことを認めた。
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