編集部員に食い物にされた「オーマイニュース」
2009年04月30日10時02分 / 提供:PJ
【PJ 2009年04月30日】−
PJ藤倉さんが誰がオーマイニュースを殺したかという記事を連載してくれた。市民記者の研修制度を作ろうと3カ月という短い期間であったが、わたしもオーマイニュースにかかわった一人として、この場で意見を述べておきたい。結局、市民記者の研修制度は理由もなく頓挫したのだが・・・。カネの話などはいろいろ他のメディアでも出ているので、編集部のマネジメントの話に限ったことにしておく。
失敗の原因をひと言で表せば、リーダーシップ無き創業者社長、安穏でお人よし編集幹部と暴走するプロ市民活動家の編集幹部、そして編集・経営に関して無関心な鳥越俊太郎・初代編集長とそれを取り巻く鳥越教信者で充満した編集部の伸びきった経営体質であったろう。つまりは、編集部員のそれぞれベクトルがまったくの別方向を向き、市民記者への求心力が欠けるという編集部全体の経営リアリティの欠如が一番の原因だったと思う。
韓国オーマイニュースの呉社長は日本での事業展開にまったく自信が無かった。だから、客寄せパンダ的に鳥越俊太郎氏を初代編集長に据えたのだった。そして、編集部には安定企業マスコミ的な安穏とした雰囲気が漂い、ベンチャー・メディアというような気概が感じられなかった。悪意を持って編集部やオーマイニュース自体への攻撃をしかける市民記者や外部者への対応が甘すぎた。厳しく対応してしかるべき言われ無き誹謗(ひぼう)中傷にまで懇切丁寧に答えていた。こんなことに注力するなら、市民記者からの記事の編集や自らの取材にもっと時間を割くべきだと忠告したのだが・・・。
プロ市民活動家の編集幹部S氏にはあきれ果てた。マスコミに対して批判的なことを言いつつ、マスコミに心底あこがれていた。このプロ市民、機材から取材手法まですべてマスコミをまねするため、取材編集にカネと時間がかかりすぎてしまった。しかも「マスコミがやらぬことをやる」と言って、社会的な脈略などまったく無いテーマを編集会議で打ち出しては、周りの編集部員をあんぐりさせていた。それでも、思いこみに任せ、市民記者的視線が無いところで取材しては一人笑壺(えつぼ)に入っていた。
市民ジャーナリズム活動が目的ではなく、自身の活動をマスコミに取り上げられるのが目的である人物であった。しかもこの人物、わたしも在籍した大学でジャーナリズムを教えているという。このプロ市民を裏で操っていたN氏という自称戦場ジャーナリストはもっとうさんくさかった。この人物、NHKや民放、大手新聞社を公でよく批判するのだが、実のところはこれらマスコミの下請け業者。要するにマスコミのガス抜き係を買って出ているということだ。
オーマイニュースの鳥越俊太郎・初代編集長について言えば、まったく良い印象がない。わたしがかかわっていた3カ月間、鳥越氏が事務所に来たのはせいぜい週に一回。ふらっと立ち寄って、雑談をして、すぐに帰ってしまう程度だった。このときはすでにネットでの炎上事件を起こした後だった。編集長でありながら、運営に関してまったのくの人ごとだった。
「ウソだと思うなら、見せてあげますよ。手術の跡を」と鳥越氏がシャツをめくろうとしたときには、啞然(あぜん)としてしまった。なぜこの人は傷口をみせたいのだろうかと。経営責任を自身の病気に転嫁したかったのだろう。その後、鳥越氏が出演するガン患者を売りにしたような保険会社のCMや、鳥越氏がセレブ気取りで高級外国車を褒め称(たた)えるメーカーのCMを目の当たりにしてあきれかえった。鳥越氏はジャーナリストやキャスターなどではなく、テレビ芸人だと納得した。
これにましてひどかったのが編集部員や外部編集委員らだった。彼らは市民メディアの仕事を生活の糧にしていたプロフェッショナルであった。市民記者と自分らプロ記者は別世界の人種だといわんばかりの態度が編集部を包み込んでいた。全員ではないが、結局、当時の鳥越人気や市民メディア人気にあやかって、あわよくば自身をマスコミに売り出したいという後ろ姿が見え透いてしまった。「ネット・ジャーナリスト」として各種メディアに顔を出すF氏やS氏などがその典型例だった。こういう輩は鳥越氏が去った後、みなどこかへ消え去っていった。
鳥越氏以降、元木昌彦氏ら新たな編集部員が参加したときには時すでに遅しという状態だったと思う。結局、市民記者目線無き設立当初の編集部が、億単位の大金を集めたオーマイニュース日本版をよってたかって食い物にしたとわたしは見ている。オーマイニュース編集部の批判ばかりを書き連ねてしまったが、わたしはこれらがオーマイニュースを殺した本質だったと考えている。
とはいえ、このPJニュースとて安泰ではないし、実際はオーマイニュースの経営以下かもしれない。オーマイニュースの事例を教訓にして、PJニュースを継続させていこうと思う。これらを中心に、5月25日(月)に東京の「阿佐ヶ谷ロフトA」で、オーマイニュースの元編集部員らと開くトークイベントで話そうと思う。【了】
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失敗の原因をひと言で表せば、リーダーシップ無き創業者社長、安穏でお人よし編集幹部と暴走するプロ市民活動家の編集幹部、そして編集・経営に関して無関心な鳥越俊太郎・初代編集長とそれを取り巻く鳥越教信者で充満した編集部の伸びきった経営体質であったろう。つまりは、編集部員のそれぞれベクトルがまったくの別方向を向き、市民記者への求心力が欠けるという編集部全体の経営リアリティの欠如が一番の原因だったと思う。
韓国オーマイニュースの呉社長は日本での事業展開にまったく自信が無かった。だから、客寄せパンダ的に鳥越俊太郎氏を初代編集長に据えたのだった。そして、編集部には安定企業マスコミ的な安穏とした雰囲気が漂い、ベンチャー・メディアというような気概が感じられなかった。悪意を持って編集部やオーマイニュース自体への攻撃をしかける市民記者や外部者への対応が甘すぎた。厳しく対応してしかるべき言われ無き誹謗(ひぼう)中傷にまで懇切丁寧に答えていた。こんなことに注力するなら、市民記者からの記事の編集や自らの取材にもっと時間を割くべきだと忠告したのだが・・・。
プロ市民活動家の編集幹部S氏にはあきれ果てた。マスコミに対して批判的なことを言いつつ、マスコミに心底あこがれていた。このプロ市民、機材から取材手法まですべてマスコミをまねするため、取材編集にカネと時間がかかりすぎてしまった。しかも「マスコミがやらぬことをやる」と言って、社会的な脈略などまったく無いテーマを編集会議で打ち出しては、周りの編集部員をあんぐりさせていた。それでも、思いこみに任せ、市民記者的視線が無いところで取材しては一人笑壺(えつぼ)に入っていた。
市民ジャーナリズム活動が目的ではなく、自身の活動をマスコミに取り上げられるのが目的である人物であった。しかもこの人物、わたしも在籍した大学でジャーナリズムを教えているという。このプロ市民を裏で操っていたN氏という自称戦場ジャーナリストはもっとうさんくさかった。この人物、NHKや民放、大手新聞社を公でよく批判するのだが、実のところはこれらマスコミの下請け業者。要するにマスコミのガス抜き係を買って出ているということだ。
オーマイニュースの鳥越俊太郎・初代編集長について言えば、まったく良い印象がない。わたしがかかわっていた3カ月間、鳥越氏が事務所に来たのはせいぜい週に一回。ふらっと立ち寄って、雑談をして、すぐに帰ってしまう程度だった。このときはすでにネットでの炎上事件を起こした後だった。編集長でありながら、運営に関してまったのくの人ごとだった。
「ウソだと思うなら、見せてあげますよ。手術の跡を」と鳥越氏がシャツをめくろうとしたときには、啞然(あぜん)としてしまった。なぜこの人は傷口をみせたいのだろうかと。経営責任を自身の病気に転嫁したかったのだろう。その後、鳥越氏が出演するガン患者を売りにしたような保険会社のCMや、鳥越氏がセレブ気取りで高級外国車を褒め称(たた)えるメーカーのCMを目の当たりにしてあきれかえった。鳥越氏はジャーナリストやキャスターなどではなく、テレビ芸人だと納得した。
これにましてひどかったのが編集部員や外部編集委員らだった。彼らは市民メディアの仕事を生活の糧にしていたプロフェッショナルであった。市民記者と自分らプロ記者は別世界の人種だといわんばかりの態度が編集部を包み込んでいた。全員ではないが、結局、当時の鳥越人気や市民メディア人気にあやかって、あわよくば自身をマスコミに売り出したいという後ろ姿が見え透いてしまった。「ネット・ジャーナリスト」として各種メディアに顔を出すF氏やS氏などがその典型例だった。こういう輩は鳥越氏が去った後、みなどこかへ消え去っていった。
鳥越氏以降、元木昌彦氏ら新たな編集部員が参加したときには時すでに遅しという状態だったと思う。結局、市民記者目線無き設立当初の編集部が、億単位の大金を集めたオーマイニュース日本版をよってたかって食い物にしたとわたしは見ている。オーマイニュース編集部の批判ばかりを書き連ねてしまったが、わたしはこれらがオーマイニュースを殺した本質だったと考えている。
とはいえ、このPJニュースとて安泰ではないし、実際はオーマイニュースの経営以下かもしれない。オーマイニュースの事例を教訓にして、PJニュースを継続させていこうと思う。これらを中心に、5月25日(月)に東京の「阿佐ヶ谷ロフトA」で、オーマイニュースの元編集部員らと開くトークイベントで話そうと思う。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 小田 光康【 東京都 】
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