私の推察は以下の通りです。
１、外国からの圧力によりエレベーター業界においても外国メーカー参入に対して「規制緩和」が求められた。
２、実績のないシンドラー社は、「ダンピング」や「口利き」など常識外の方法を用い港区の選定を勝ち取った。
３、最終的に耐震強度偽装問題（姉歯物件）同様、「経済設計エレベーター」という欠陥商品を売りつけられた。
なぜ、私がこのような仮説を立てるのか、その理由は３つです。
１、日本製のエレベーターの品質は悪くない。エレベーターという公共性の高い「乗り物」を敢えて外国製にする理由が見当たらない。都バスや都営地下鉄のメーカーが外国の会社である必要がないのと同じことです。
２、事故が発生したマンションは１９９８年４月の竣工であるが、前年の１９９７年に日本に本格参入したばかりのシンドラー社が「選定」されることは容易なことではない。（同年には耐震強度偽装問題の原因とされる建築基準法が改正されているが、エレベーター業界も旧建設省の管轄となっている）
３、故障を想定した部品の交換や保守点検を考えた場合でも日本製の方が効率的である。
ここで申し上げておきますが、私は安全管理に関しては「プロフェッショナル」です。特に、ジェットコースターやエレベーターなどの「乗り物」の安全運行を構築する「考え方」については、ディズニーから叩き込まれた知識により、有識者と言われる他の方々に決して負けない見識を有していると自負しております。
ところで・・・ジェットコースターもエレベーターも回転扉も管轄は旧建設省（現国土交通省）です。実際には旧建設省の天下り機関である「財団法人日本昇降機安全センター」が行政上の指導等を取り仕切っています。知っていましたか？
さて、
安全管理のプロとして、安全管理とは現場だけの問題ではないという考えのもと、これだけは申し上げておきたいと思います。
この死亡事故にはバックストーリーがある。９０年代後半の日本社会における規制緩和論議の高まりから始まり、官によるエレベーターメーカーの選定、そして保守管理という現場のメンテナンス作業まで・・・表に出てこない「何か」が隠されている。
さらに、
六本木ヒルズ回転扉死亡事故の「処理」同様に、最高責任者の責任が問われることはない。この事件は「事故」として処理され、いずれ風化する。そして、「この事故による教訓は・・・何もない」ということになる。
以下に、ディズニーランドの運営経験上の「事実」に基づいた私の持論を書かせていただきます。
それは「大型工業製品の品質は日本製がＮＯ１である」ということです。
その理由は、部品の精度の高さと使用する鋼材の品質の良さに起因するのです。
日本製は壊れません。反対に外国製（アメリカ製）は部品の品質のバラツキなどが原因の故障が多々見受けられるのです。
シンドラー社の製造拠点は中国であるとのことですから主要部品は日本では造っていないでしょう。問題はこの点にある、私はこのように考えています。
もちろん、ここまで書いてきたことは仮説中心であり、「日本の大問題」ではないことを望みますが、耐震強度偽装問題のように日本の規制緩和は「安全、安心」に対しては「逆方向」を向いているのが実情です。
経済設計とコスト削減建設、見えない中身をのぞいてみたら単なる「安物」であった、これでは困るということを言いたいのです。
何から何まで「官から民へ」、安全に関わるビジネスにも「規制緩和と構造改革を止めるな！」
はたしてこれは正しいことなのでしょうか。
私には到底そうは思えません。
今回の死亡事故の発生原因と結果責任については今後も追及していく所存です。
なお、この事故と安全管理に関するコラムは私の別なブログにも書いていますので、ご高覧いただければ幸いです。
http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/
最後に、
今回の事故は本当に残念でたまりません。亡くなられた市川大輔さんのご冥福を心からお祈りいたします。
Posted by yonchoume_ at 17:50
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