2006年02月15日

オリンピックとゴルフの精神

トリノオリンピックでの日本人選手の苦戦が報じられています。

女子フィギュアスケートもあり、まだまだこれからだ! と思う反面、ひょっとしたらこのまま・・・と悲観的になってしまう、テレビで応援している人たちも皆、同じような気持ちではないでしょうか。

それにしても、マスコミはすでに「日本人の気持ちの問題か」「甘えがあるのか」など選手の姿勢を批判し始めています。

オリンピックの行き過ぎた商業化に伴い、参加する選手のスポーツマンシップも低下しているのではないか、そのような私の仮説に基づき「ゴルフの精神」を引き合いに出しながら持論を述べてみたいと思います。


オリンピックのメダリストがゴルフ番組のインタビューで語ったことです。

レポーター「ずいぶん叩いていたようですね?」(成績が良くないという意味です)
○○選手 「スコアーは付けていませんから・・・」

この選手!とんでもない勘違いをしているようです。また、そのまま報道するテレビ局の見識も疑われます。




一緒にプレイした人にスコアーを報告するのがゴルフです。スコアーを報告していなかったということは、ゴルフをしたことにはならないのです。スコアーを付けないことは、自分とも闘っていない、パートナーとも闘っていない「恥ずべき行為」ということなのです。

確かにゴルフは個人プレイです。野球やサッカーのようなチームプレイではありません。
それでもゴルフは一人では決して成り立たない競技です。18ホールをパートナーと一緒に回ることがゴルフであるということなのです。

さて、ゴルフをされない方にもぜひ知って頂きたいことがあります。
それは、ゴルフのプレイヤーは、常にいくつかの困難と闘っているということです。

一つ目は「コース」との闘いです。バンカーなどのハザード(障害物)や雨、風などの気象条件は、スコアーメイクを困難にします。

二つ目は「自分自身」との闘いです。
誰でも「相手に勝ちたい」「ベストスコアーを出したい」という気持ちは持ってプレイします。
しかしながら、そのためなら何でもやっていい訳はありません。

基本となるルールを守らなければいけないのはあたり前ですが、ゴルフにはサッカーなどと違って「ファール」「イエローカード」などに象徴される「軽微な反則」「グレーゾーン」は存在しません。
正しいかペナルティか、○か× だけなのです。

そして、その ○か×か を決めるのは、プレイヤー自身であることがゴルフの奥深いところです。

林に打ち込んだボールをほんの少しでも動かす行為や、ボールの後ろの芝を足で踏みつけ、ボールを打ちやすくする行為などは決して許されないのですが、広いコース内では誰一人見ていない場合も多いもの、ちょっとした「出来心」が生じることもあります。

そんな時「自分の良心」との闘いが生まれるのです。
「×の誘惑に負けてはいけない」という自分との闘いであるということです。

自己申告であるスコアーをごまかす行為(×を○として申告)などはもってのほかです。
サッカーのファールなどと異なり、長く後悔することになるのです。

ゴルフ川柳より
●コースに出てから30年、未だに悔いる過小申告

最後は「ゴルフの精神」との戦いです。

ゴルフの精神とは
「どんなときでもプレイヤーは礼儀正しさとスポーツマンシップを常に示しながら、洗練されたマナーで立ちふるまうべきである」というものです。

前述しましたように、ゴルフは個人競技ですが一緒にプレイをする同行者が必ず存在します。

メンバーが友人たちの場合でも初めてお会いする方でも、非日常的な時間とコース(場所、空間)を共有するのですから、「同行者への良心」も大切にしなくてはいけません。

この「同行者への良心」とは、ルールやマナーの根底にある思考基盤「人間関係を良くする、もてなし合いの心」と言ってもよいでしょう。

それではなぜ、もてなし合いのこころが必要なのでしょうか。
それは、ゴルフは「失敗するスポーツ」であるからです。

深いラフに負ければ失敗します。使用するクラブの選択や風向きを誤れば失敗します。

さらに、ゴルフコースには、ゴルファーの失敗を誘うための様々なハザードが意図的に用意されています。
つまりプレイヤーがゴルフコースに出るということは「失敗をしに行く」ということです。
アンダーパーで回るプロゴルファーでも必ず失敗をしています。
ゴルフを「失敗させるスポーツ」と言っても過言ではないのです。

一つの失敗をどのように乗り越えるか、ゴルファーは「大いなるゴルフの精神」からためされていると言ってもよいでしょう。

失敗した後「くさる」人を見かけます。
物やコースに「八つ当たり」する人もいます。
「自分との闘い」に負け、失敗をごまかす人もいるでしょう。

不機嫌になったり、自分に負けたりすることは、一見個人の勝手のように思われますが、それはゴルフの精神や「同行者への良心」に反する行為です。絶対にしてはいけないことなのです。

一方で、同行者は失敗した人が立ち直れるように、「ナイスリカバリー」「ナイスアウト」「ナイスボギー」などの「ほめ言葉」を発することがゴルフのマナーになっています。

失敗するのがあたり前であり、失敗した人は消沈するのはあたり前、失敗から「脱出」できたらほめ合うのもあたり前なのです。

ゴルフはメンタルなスポーツと言われます。一緒にコースを回る人たちが一時も早く失敗の消沈から脱出するようにほめる、ナイスショットをしたらほめる、もちろんほめられた人は「有り難うございます」とお礼を言う、人間としてあたり前のことです。

これはツアープロでも必ず行っています。
もちろん、ナイスショットの都度頭を下げ「ありがとうございます」とは言いませんが、手を挙げたり、帽子を触ったりというアクションが、まさにほめてくれたことへの返答なのです。

ゴルフ川柳より
●ゴルフの最大のペナルティは、二度と誘ってもらえない事だ

紳士、淑女のスポーツであるといわれるゴルフの奥深さ、そしてゴルフの精神、少しだけでもご理解いただけたとしたら望外の幸せです。

さて、オリンピック選手の「甘えの問題」ですが、スコアーを付けないメダリスト同様、多くの選手の心は「アマチュア」レベルなのではないでしょうか。
「伝わってくるもの」がありません。マラソンの高橋尚子さんから受けるような「必死さ」を感じないのです。

もちろん、私がこのように感じるのはテレビ報道を見ただけであるからです。
トリノに応援に行っている人、オリンピック本番前から選手たちの努力を見ている人は決してそうは思わないでしょう。

しかし、です。オリンピック選手をあたかも商品のように扱っている、このテレビ局の報道姿勢は、はたして正しいのでしょうか。そうした報道姿勢であるからこそ、視聴者には必死さが伝わってこないのではないのでしょうか。
私はそのことを言いたいのです。

メダルを取った選手が総理大臣に祝福されるシーンをメディアは報道し続ける、メダリストを芸能人のようにゴルフ番組にも「出場」させる。
このようなメディアによるメダリストの「ブランド化」が、オリンピックに出場する選手たちの甘えにつながっていないとは言いきれません。
メディアに関わる方々は、もう一度オリンピック報道の原点に戻り、自社の報道視政を考えてみていただきたいと切に願います。

トリノオリンピックが始まり、「耐震強度偽装問題」「ライブドア問題」「アメリカ産牛肉輸入問題」など日本の大問題に関する報道がますます減ってきたようです。残念なことであると私は考えています。


最後に、インターネットの掲示板に寄せられたこの投稿を紹介します。
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男子500メートル優勝者、チーク選手は特殊な存在ではあるが、日本の選手の中に、彼の志の万分の一でも、有する選手がいるだろうか。
有名になり、注目を浴び、経済的潤沢を追求する選手は、上位入賞さえもおぼつかないのではなかろう。

「大統領の夢へ再び スケート500メートル 金のチーク」レース後の記者会見

「米五輪委員会の金メダル報奨金2万5000ドル(約300万円)は、虐殺のために難民となったスーダンの子どもを助けるために非政府組織(NGO)に寄付をする。企業にも支援を求めたい」。難民キャンプを訪ねる計画も明らかにした。

「スケートは楽しいし、愛している。だが正直なところ、少し馬鹿げているように思う。タイツをはいて氷の上を滑り回るために、生涯を費やすなんて。でも僕はスケートが速いおかげで、寄付を集めたり、世界の問題に注意を呼びかけたりできる。大きなことを成し遂げたら、世の中のためになることをしよう」

この五輪で引退するつもりだ。「98%決めている。中断していた経済学の勉強を再開したい。できればハーバード大で」。再び、政治を目指す気持ちが頭をもたげてきている。
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20年後?のアメリカ大統領へ・・・この「志」「思い」があれば夢は実現するでしょうし、して欲しい! 私はそう思います。


Posted by yonchoume_ at 12:44 │Comments(1)TrackBack(1)この記事をクリップ!

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最新エログランキング!!【最新エログランキング情報】at 2006年02月15日 12:52
この記事へのコメント
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Posted by ■チャットレディーをはじめてみよう☆ at 2006年02月18日 19:31