回転ずしを楽しむ家族。値引きキャンペーンが好評だ=大阪府東大阪市のくら寿司高井田店
また、各社とも新メニュー開発や食材の有効活用で一層のコスト削減を進めている。例えば、あきんどスシローではブリを切り身ではなく丸ごと買うことで仕入れコストを下げた。余った頭の部分は「カマ焼き」として販売している。通常ならすしネタとして扱わない真イカのミミもメニューに。元気寿司でも、うなぎの握りに使えない切れ端をトロロと一緒に軍艦巻きにした「うなとろ」が人気だ。
市場調査会社の富士経済の予測によると、09年の飲食・料理店全体の市場規模は前年比1.0%減の6兆3千億円となる見通しだが、回転ずし業界は前年比4.4%増の4280億円に拡大する。
105円回転ずしで顧客が支払うお金は1人平均約千円で、ファミリーレストランと同程度かやや高め。ただ、「豊富なメニューから選べて満足感が大きい」(あきんどスシローの豊崎賢一副社長)ため、割安感を感じやすい面があるようだ。各社とも「魚価下落で値下げの余裕が出てきた今のうちに、新規顧客を増やしておきたい」(くらコーポ)との思いは強く、値引き合戦も当面、続くとみられる。(佐藤亜季)