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厳罰化でも飲酒運転事故増加の兆し/神奈川県
- 社会
- 2009/05/04
飲酒運転が厳罰化された二〇〇二年以降、減少していた県内の飲酒絡みの交通事故が、今年に入り増加の兆しを見せている。県警のまとめでは、三月末現在で六十九件と、前年同期(六十一件)を上回るペース。県警は”確信犯”ともいえる飲酒運転の常習者が減らないのが一因とみて、運転免許試験場(横浜市旭区)で四月から、国立病院機構久里浜アルコール症センター(横須賀市)と連携した面談調査などを開始し、対策を探っている。
県内の飲酒絡みの事故は、〇一年の九百五十四件が最近十年間のピーク。〇二年からは毎年五十~二百件ずつ減り、〇八年は二百四十二件と、〇一年の約四分の一まで減った。県警交通総務課は「罰則を強化し、酒気帯び運転の基準を引き下げた道交法改正(〇二年六月施行)の効果」とみている。
しかし、今年は前年を上回るペースで推移。人身交通事故の総件数は前年同期より一割近く少ないだけに、飲酒絡みの事故が占める割合が高まっている。四月も、春の全国交通安全運動期間中(六~十五日)だけで飲酒運転の事故が四件発生し、酒気帯び運転で摘発されたドライバーは五十八人に上った。
増加に転じた理由について交通総務課は「飲酒運転の常習者が後を絶たないことが一因」と指摘。「厳罰化から時間がたち、ドライバーの意識が薄れてきている」という側面もあるとみている。
県警と久里浜アルコール症センターは、交通違反で免許取消処分を受けた男女約千四百人に対し〇七~〇八年にアンケートを実施。飲酒運転の経験がある人は約七割に上ったが、約半数が過去に取り締まりを受けておらず、「捕まったことがないので大丈夫」と考える人が多いことが判明。常習者の存在が数字でも明らかになった。
飲酒運転をした理由は、男性は「時間がたっているので平気と思った」や「目的地が近かった」、女性は「酔っていないと思った」が目立ち、アルコールの危険性に対する認識不足も浮き彫りになった。
県警と同センターは四月から、違反者への面談調査を開始。結果の分析を進めるとともに「六月から飲酒運転などの違反点数が引き上げられるタイミングをとらえ、あらためて注意喚起していく」としている。
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