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きょうのコラム「時鐘」 2009年5月4日
「関ケ原」を散策してきた同僚によると、歴史好きの女性「れきじょ」たちで、この有名な古戦場もにぎわっていたという
「れきじょ」の特徴は、歴史全般が好きというよりも、武将をアイドル化する感覚が鮮明なところにある。関ケ原でも石田三成ら敗北した西軍の、悲劇の武将たちの陣跡に人気が偏っていたのはいうまでもない 大河ドラマ「天地人」は、ストーリーよりも直江兼続や上杉景勝などの武将役にイケメン俳優を起用したのが人気の源になっている感が強い。折しも魚津城の攻防が放映されている。能登の戦いで七尾城への観光客が増えたように魚津への関心も高まるに違いない 前田利家ら織田軍団が、籠城(ろうじょう)する上杉勢を攻め立てて陥落させるのが魚津城の戦いである。が、落城の前日に信長は本能寺で死んでいたというドラマチックな攻防戦の跡だ。信長の死を知らずに玉砕した上杉勢に「れきじょ」たちが涙を流すには十分な舞台である 北陸には有名な古戦場がいくつもある。5月の風は、歴史に触れる楽しみを増してくれる。武将の面影を求めて散策するのにこれほどいい季節はない。 |