その架空世界、
書物の名前を
「架空都市――倫敦」と言う。
エアリアルシティ,P.8
倫敦概説
- 架空都市(エアリアルシティ)、と呼ばれる街がある。あらゆる架空事が現実として存在する街。文字によって形作られる書物の世界。
- 倫敦だ。
- 死にたがり(ニアデス)と呼ばれる魔族の青年・アモン、瞳を伏せた少女・クラウゼル。倫敦警視庁一の伊達男・警部とそのツッコミ役の猫人の少女・フィリアス。倫敦に現れた三人の人間・ヴァレス、モイラ、ラルフ。
- 霧の街倫敦に満月が浮かぶ夜、老いた人狼の咆哮によって始まった一つの事件。
- 彼らは何を知り、変わっていくのだろうか。
登場人物
≪主役≫
- アモン
- 魔族。魔族の象徴ともいえる翼をもたず、魔族としての力も持たない。
- かつての神魔戦争において天界の軍によって母親を殺され、神と思しき人物によって「子供に罪はない」と命を拾った経験がある。父親はどうなったか明記されていないが恐らくこの神魔戦争で失っている。この経験のためか天使や神を苦手としている。
- 「死にたがり(ニアデス)」のアモンと呼ばれ、自らも自嘲気味にその字名を名乗る。
- 髪は黒で前髪の部分だけが金、魔族特有の金に光る眼を持つ。服装は基本的に魔族の好むジャケットとトルーザー。
≪倫敦警視庁≫
- 警部
- スコットランドヤードの名物。種族や名前、イニシャルさえ知られておらずいろいろ謎が多い。言影化と言像化を得意とする。黙っていればナイスミドル。
- その正体はおそらく「神」。この世界における神というよりは人が想像し語り継ぐ架空存在(キャラクター)としての一神教における神。そのため人の想像を超えた力を持ちえず、人の想像の範囲内という限られた全能しか持たない。
≪侵入者≫
謎・考察
都市理力について
- 各都市が保有する個性、その都市独自の法則である都市理力
- 倫敦におけるそれは「書物」という形で現れる
- つまりは「ト書き」と「台詞」だ
- 倫敦に住まうものはこの「ト書き」と「台詞」を読んで暮らしている
- 例えば「家があり、その前に人が立っている」場合
- 倫敦では家とその前の人物を映像的に見るのではなく、文章として読みそれを視覚やその他の感覚情報として得る
- 観察力や視力の良さは描写をより細かく読み取れることで表現される