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政界ロビー:支持者ら「愛してるよ、盧武鉉」

出頭当日のポンハ村、200人集まる

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が検察へ出頭した先月30日、慶尚南道金海市進永邑ポンハ村は、全国から集まった「ノサモ(盧武鉉を愛する会)」のメンバーたちで、早朝から騒然としていた。約50台の駐車が可能な村の駐車場は、いつもは半分ほど埋まっている状態だが、この日は前日夜から集まった車で一杯になり、二重駐車(車道上に2列にわたって駐車)してもまだスペースが足りないほどだった。車のナンバーも、ソウルや釜山など、ほかの地域のものが目立った。

 午前6時、村の住民や「ノサモ」のメンバーなど約200人が、黄色い帽子とマフラーを身にまとい、自治会館の前に集まってアンプを取り付け、『先駆者』や『鳳仙花(ほうせんか)』などの歌を流した。集まった人たちの多くは前日の夜に到着し、自治会館の前にある「ノサモ記念館」でキャンドル集会を開いた後、近くの旅館に泊まっていた人たちだった。

 6時10分ごろ、大統領府の警護班や私服警察官、戦闘警察隊(機動隊)・義務警察官(兵役の代わりに警察に勤務する警察官)の4個中隊など、約240人が村の各地で警備に就いた。7時ごろ、村の住民のファン・ボンホさん(58)が、自治会館の前で「地域住民一同」の名で声明文を読み上げた。「地域の発展に尽くしてきた指導者が、1日で故郷へ帰って来られるようにしてほしい」という内容だった。住民たちと「ノサモ」のメンバーたちは「政治的な報復を中止せよ」「愛してるよ、盧武鉉」などとシュプレヒコールを叫び、自治会館から盧前大統領の私邸までの約100メートルの道を練り歩いた。

 7時30分ごろ、大統領府の文在寅(ムン・ジェイン)前秘書室長が乗った車と、大統領府が差し向けた大型バスが相次いで私邸に到着した。そして7時58分ごろ、盧前大統領は権良淑(クォン・ヤンスク)夫人や前政権の関係者らに見送られ、乗用車(現代スタレックス)で私邸を後にし、8時ちょうどにバスに乗り込んだ。

 バスが村を出発するまでの間、支持者たちはバスの前に黄色いバラの花を投げ、「この花を踏み付けて行っておくれ」と叫んだ。黄色いマフラーで涙を拭く人もいた。盧前大統領と幼なじみのイ・ジェウ進永農協組合長は「過去の権力者だからといって、ひどすぎるのではないか」と話した。また、イ・ビョンギ自治会長は「ソウルへ向かうときに召し上がるようにと、昨日の夜住民たちが豆がゆを作り、私邸へ持って行った」と話した。

 盧前大統領の支持者たちのうち約半分は、バスが出発した直後、自分の車に乗って村を離れた。一方、残ったたちはKBSの中継用ブースの前に集まり、「KBSは“ポンハ村に支持者約50人が集まった”と、誤った報道をした」と抗議した。

 その後、ポンハ村は朝までの出来事が嘘だったかのように平穏を取り戻した。村人たちはそれぞれ、田植え用の苗床の準備などを始め、午後3時ごろには自治会館の前でご飯やキムチ、焼酎などを持ち寄って簡単な食事をした。そのとき、イ・ビョンギ自治会長は休む間もなくニュースを見続け、翌日朝に盧前大統領が帰ってくる時間に合わせ、自治会館のスピーカーで放送するという方針を打ち出した。村人たちが出迎えるためだ。イ自治会長は「今日は早く家に帰って寝なければ」と言い、その場を離れた。

金海=クォン・ギョンフン記者

パク・スンチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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