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政界ロビー:出頭した盧前大統領の一日(上)

 30日午後1時19分、慶尚南道金海市進永邑ポンハ村の私邸を出発してから5時間19分後、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領を乗せたバスがソウル市瑞草区瑞草洞にある大検察庁(日本の最高検察庁に当たる)の玄関前に到着した。早朝から盧前大統領を待ち構えていた100人以上の取材記者、検察関係者、警備担当者の間には一時、激しい緊張が走った。2分後にバスのドアが開き、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領府秘書室長ら複数の随行員がバスから降り、続いて盧前大統領がやや硬い表情で姿を現した。髪を染めていなかったため、白髪が目立った。紺のスーツに薄いグレーのネクタイを締め、5、6歩進んでから写真撮影に応じた。

◆大検察庁に到着した盧前大統領「面目ない」

 左右を取り囲んだ取材陣に目をやった盧前大統領は、「(出発前に)なぜ面目ないとおっしゃったのですか」という質問に対し、やや笑みを浮かべながら、「面目ないことでしょう」と口にした。さらに「今の心境は」「100万ドル(約9900万円)については(受け取りを)認めますか」など質問が相次ぐと、盧前大統領はそれらを聞き流しながら、「また今度」と言い残して中に入った。

 庁舎の前では「ノサモ(盧武鉉を愛する会)」など親盧(盧前大統領を支持する)団体の会員ら500人以上と、国民行動本部など反盧団体の会員400人以上がそれぞれデモを行った。ノサモの会員らは大検察庁正門前から瑞草駅まで70メートルにわたり黄色のリボンや風船を飾り、「政治的報復を中断せよ」などと叫んだ。反盧グループからは「盧武鉉を逮捕せよ」などの声が上がった。

 盧前大統領を乗せたバスが大検察庁の正門を通過する瞬間、一部の反盧デモ団体が生卵や靴を投げつけ、数個の卵がバスの窓ガラスに当たって割れた。親盧グループと反盧グループのデモ隊が正門の向かい側にあるソウル中央地方検察庁前でもみ合うと、殺虫剤がばらまかれて現場は一時混乱した。警察は殺虫剤をまいた容疑で親盧派のデモ隊に所属していた男性一人を連行し、事情を聞いている。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者

チョ・ベッコン記者

パク・スンヒョク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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