【経済】10兆円のアジア支援枠表明 年内に多国間通貨交換協定2009年5月3日 21時00分
【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)3日共同】東南アジア諸国連合と日本、中国、韓国(ASEANプラス3)の財務相会議が3日、インドネシア・バリ島で開かれた。与謝野馨財務相はアジア各国が金融危機に陥るのを防ぐため、外貨準備を活用して円資金を供給するなど総額10兆円規模の資金支援枠を表明した。 財務相会議は、通貨急落などに見舞われた国を支援する通貨交換協定「チェンマイ・イニシアチブ」を現行の2国間協定網から、年内に総額1200億ドルの多国間協定に衣替えすることで合意。新型インフルエンザの感染拡大が経済に与える悪影響を警戒していくことを盛り込んだ共同声明を発表した。 現地通貨建ての債券発行を促進する構想では、当初5億ドル(約500億円)の基金として信用保証機構を創設することで一致。日本は最大2億ドルを拠出する。 財務相会議は世界的な金融危機の教訓から、アジア地域の金融面の安全網を強化する必要性を確認。域内協力を深めながら、世界不況脱却へけん引役を果たす決意だ。 円資金供給は6兆円規模で、円を受け取った国は必要なら米ドルなど他通貨に交換できる。各国が日本市場で円建て外債(サムライ債)を発行する際、国際協力銀行が最大5000億円保証することも打ち出した。与謝野財務相は一連の支援策について「他国の困難な状況を少しでも和らげることを期待する」と述べた。
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