2008-06-07 「岡田斗司夫の遺言6」レポート提出_破
■[岡田斗司夫]「岡田斗司夫の遺言6」レポート提出_破

※注 単純にレポ書いていると追体験できて面白いよ。皆さんもやってみて下さい。
○ベル銀伝(その1) 描写を全てロケットとかメカにする
・ガイナックスを辞めた後も、いろんな人に「またアニメやらないの?」とか聞かれたり、「アニメを作らない?」とか誘われたりしたんだよ。
・で、作品を世に出した際に表にでないことを条件にあれこれだしたものに、ベル銀伝ってのがある。
・そこで考えてのが、「ファイブスター物語がなぜブレイクしないのか?」「銀河英雄伝説はなぜブレイクしないのか?」
・ベルサイユのばらのオープニングってあるでしょ。アレを拝借してくるんだ。
・マリー・アントワネットがルイ16世に嫁いでくる。馬車に乗って。
・その細かい描写を全てロケットとかメカにするんだ!
・その話をした時に庵野とかは「出来ないですね。」とか言ってたけど、この間見たけどGONZOが今やってるよ!
・スタッフにさ、当時の打ち合わせに聞いていた人がいたんで、今それを使ったのか(笑)
○ベル銀伝(その2) エーテルの風
・ロココ調で、戦国で、ロボットで〜。いや、笑ってるけどコレがかっこいいんだって!
・本当に大人が見るに値するロボットアニメを目指す。
・大人なアニメって、ガンダムのMS小隊とかでやるハードな戦争だけでなく、ロボットを指揮する将軍を人間味豊に書く。
→この描写をちゃんとしていけば、別方向で大人向けのロボットアニメになるんじゃないのか。
・「エーテルの風がふいたよ。あの城は幻じゃないのかな。」
・庵野がこの企画話を真剣に聞いてくれないはずですよね(笑)
・彼はトップ制作の体験から、パロディーにしか見てくれなくなっていたし。
・庵野監督はナディアをやって自分なりの技法も確立していっていたしね。
・庵野監督「いやー、岡田さんにはあの時騙されましたよ〜。」って。
・だからGONZOがやってんじゃん!「ガラスの艦隊」で!それだよ!
※注 そうなのか。今度借りて見よう(笑)。しかし、ガラカンドットコムって。
7.俺は押井守になりたい
○UFO(その1) 北久保君のある発言からこの企画が始まった。
北久保君「俺は押井守になりたいんです。」
岡田さん「それは、仕事をしなくてもいろんな人が企画をどんどん持ってくる立場になりたいんだ?」
岡田さん「で、大作を任されて、無茶苦茶なものを作って一年間干されて、別荘で犬と生活して、また企画が持ち込まれる立場になりたいんだ?」
岡田さん「さらに、それで再度無茶苦茶やっても、BANDAIの渡部さんがまたお金を持って来てくれたりする立場になりたいんだな?」
北久保君「そうです!」
岡田さん「じゃあやろうか。」
岡田さん「んじゃ、俺が押井を自分に光臨させて、なんだっけ、パソコンでゲームやるヤツ?」(会場:「エミュ!、エミュ!」)
岡田さん「そう、俺が押井エミュになってやるぞ。でもこれはかなり悪意があるぞ。」
○UFO(その2) シンボル辞典
・ゼネプロで東北新社から、「謎の円盤UFO」権利がとれて商品化をしたことがあって、これのver違いをやろうか。
・監督の仕事って、見ている人ってのは勝手に考えてくれるから、その背中をポンって押す程度でいいんだ。
・でも、作品全体に凄く考えているものでもあるけど。
・本質的な考えでないもの、特定の時代背景に思い入れを持つものだな、押井作品で。
・「天使のたまご」の時に貞本&前田コンビがスタッフで行っていて、押井監督の仕事のやり方を見てきたとこがあって。
・制作現場にシンボル辞典が机の前にあって、なにかあるとそれを見てさ。それをevaの時にマネして。
・押井監督が考えていないことまで考える。考えていないところまで想像する。
→ABCDを考えていってさらにさらに裏ABCDを考えて行って〜。
・押井監督が今まで見てきた映画がかなり高度なものだったはずで、設定に底がないようにするような作り方をする。
・でも、結果的にはっきりしないものを作るのかなあ。
→evaってその技法を実用できたもので。
・時は1970年。大阪万博直前。候補予定地にUFOが墜落するところからスタート。
→もしくは、そこ候補予定地からUFOが出土/発見される。
・主人公はUFOの揉み消し役をする立場にある。MIB(メン・イン・ブラック)見たいなものですね。
・そこ候補地に行ってUFOをテントで覆い隠そうとする。
・でも、UFOはどんどん浮かび上がって見えたり、またそれを隠したり。押しとどめる。
・主人公は政府から呼ばれて任務に付いている。
・UFOを世間にバラしてはいけないし、世間もそのことをしらない。
・主人公もUFOそのものを心から信じていない。
→ここがこの話の捻れになってる。
○UFO(その4) 厳重なる思想調査
・主人公も自分が何を信じているのか分からないまま指示されている。
・UFOを揉み消した任務を実施した後には政府側から厳重に思想調査をされるんだ。
・「UFOを信じていないよな?」
・そのこと自体にも疑問を持ったらいけないんだ。仕事仲間もそんな感じでやっている。
北久保君「それは分かり難いですね。」
岡田さん「だろ。押井っぽいだろ!!多分、押井はこうなんだよ。」
※注 ここで、岡田さんの用意したテレコが切れたり切れなかったりで中断(テープ入れかえ?)
岡田さん「このイベントでテープを撮るなって言って自分はやっている。矛盾しているよね(笑)。」
○UFO(その5) それが押井世界!
・でも、この世界にも矛盾している所がいっぱいある。
・主人公が公衆電話(まだ携帯は普及してないから)で10円を入れる。で、電話を切った後にはカードが出てくる。
→なんか取り出し口にはカードが出るが、主人公が手にする際には10円に戻る。
・どうもこの世界は現在(テレカのある時代)かもしれないぞ、って疑問が出る
→ここから先は考えてはいけない。それが押井世界!
・この世界はかなり行き当たりばったりで構成されている。架空の世界であるんだけど、架空の組織が構成さている。
・で、実はその世界の空には結構な数のUFOが本当に飛んでいるんだ。主人公は見えていると認識していない。
・まじまじと空を見ると実際にUFOが見えるんだけど。
・この主人公にも彼女がいる。同じUFOの揉み消し屋である。
・彼女も過去も複雑である。UFOに彼女の兄はさらわれいったことがある。
・でも、彼女の職業上UFOを信じていないけど。
・しかし、彼女の兄はUFOそのものであるんだ。
※注 会場「ざわ、ざわ」
・主人公と彼女の会話シーンがある。
主人公「なんなんだ、UFOって。」
主人公「UFOなんているはずないじゃないか。」
主人公「そんなこと考えちゃダメだ。」
主人公「そんなこと考えたらあの人達がやって来るんだろ。」
→と、こんなことを言う度にその世界の空に実際に飛んでいる/浮かんでいるUFOがどんどん増えていく。空はUFOでいっぱいになっていく。
彼女「で、ワタシもUFOなんでしょ?」「ワタシはUFOなの。」
→その瞬間、彼女がガバっと振り返ってその姿がUFOになってしまう。そして、どこかに飛んで去って行く。そこで第一話が終了。
※注 会場「ええええ!」(ちょっと内容は完全でないです。)
○UFO(その7) ね?
・ね?分かんないでしょ?
北久保君「ああ〜押井守だああ〜〜〜〜〜!」
北久保君「で、二話以降はどうするんですか?」
岡田さん「その後は考えない!それが押井。」
・その後がどうなるかいろんな人に聞かれたまま答えないで仕事をしていくんだ。
・ブルーシティーの星野之宣みたいな仕事をしていくんだよ。していくんだよ!!
※注 これはガイナは作らなくていいです(笑)こんな話は今監督が新作でやればいいんじゃない。
○ここで休憩(21:45〜21:00)
・休憩明けに、ここからトップ2の話になります。
・ああ、ようやく遺言シリーズも終わるよお〜〜〜〜
・さっきの鳩サブレーがありますんで、休憩中に貰いに来て下さい。
※注 先日報告しましたが、ここで皆さんステージに殺到しましたw。人数分いかないって発言があったから、若干焦ったのか。
で、捌ききれないため、ロフト斉藤さんが代わりに配ることになりました。ちょうど自分の真ん前に来たんでゲット!
おいしゅうございました。
○休憩明けのトークから(21:00〜) あれ?なんか変だな。
・いやいや、あと一時間で終わるやね。
・いやあ、遺言シリーズをやっている最中に死ななくて良かったよ(笑)。
・mixiに遺言イベントやるって書いたら知り合いのレスがいっぱいあって、「どうしたんですか?」って。
・休憩前のウィザードで一カ所訂正があります。「ラストに音楽が残る」ってのは俺が半年前に作ったオチですw。
会場「えええええ!!!!!!」
・山賀版の原案は、なんか家に帰る、国に帰る、農夫として働くってあったんだけど。
・レジュメで半年前に書いたやつだ。こんなに格好良かったらもっと燃えていたよ!!
・休憩中に控え室帰った時に「あれ?なんか変だな。違う!俺が半年前に!」って思い出した(笑)
・お話が面白かったらウソでもいいよね。
→いや遺言シリーズなんで正確にしないといけいないのかな。
・この話は漫画にするのもよし、webにするもよし、この話を利用して世間と自分がやりたいことと、擦り合わせをして利用するのもよし、どうぞご自由に。
※注 前回の「レポート_序」に書いた部分は、ここで話されたものです。メモ+思い出しなんでこんなこともありますよね。
○トップ2の前に(その1) 斉藤さんは4時になったら
・遺言シリーズは「daicon3」「daicon4」「トップ」「王立」「ナディア」ごとの作品には実は裏テーマがあるんだよってことを説明するもので。
・トップは努力や根性でなく、かといってそれを信じているわけでなく。
→TDLを支えている側。表で見ている人は信じていてもいいけど、裏で支えている人はそうじゃないでしょ。
・斉藤さんは4時になったら着ぐるみを着て仕事をする立場なんですよ。
・内側の人間はお客様の立場は努力や根性は信じてくれてもいいけど/信じて欲しいが、内側は根回しやギャラを信じているものです。
・だってそうじゃないと人は動いてくれないんですよ。「北久保!さぼっていないで働け!!」っと。
・その制作者サイドの面を話すべきなんだ。夢とか正義以外で動いているっと。
○トップ2打ち合わせ(その1) 宇宙フリクリ
・で、トップ2の設定話ですよ。まさか自分がトップ2を作る立場になるとは!
・これはね、ある日佐藤店長に呼ばれてさ、設定書を見せられたんだ。
・「これは宇宙フリクリじゃねの?」
・ここで、フリクリって作品の説明だけど、映像を見れば分かるけど、evaをこじらせて作ったのがフリクリ。
※注 これはいいな(笑)。でも、the pillowsを使用すれば全部okなんです、自分は。
・設定書から、1話を見てこれは面白いな。evaのような新しいことをやる感覚が。
佐藤店長「鶴巻監督に会ってみませんか?」
岡田さん「え、今になって、この俺に助けを求めるとは何事か?」
○トップ2打ち合わせ(その2) 力は想像力
・この打ち合わせの時点で、4話まで完成している状況。
→トップ2では自分は4話が一番好き。ノノがバスター軍団を指示してさ。
・要するにその後の5話6話(最終回)の着地方法を考えてくれ、って話なんだ。
・evaとかウテナみたいに最後まで訳分かんないヤツでない物を。最後、車になるとかさ(笑)
佐藤店長「違うんです。マジメになって作っているんです!」
佐藤店長「いろんな人に会って最後に会っていない人が岡田さんなんです。」
・超部外秘の設定書を見せてもらって、ガイナ近くのサイゼリアでグラタンを奢ってもらって、んじゃ1時間半は考えようかって。
※注 昔の日記にも書いてありましたね。ガイナの伝統で喫茶店の奢り代=ギャラって話。
○トップ2打ち合わせ(その3) トップの正統な続編
・トップレスって設定が、「力は想像力」みたいななものなんだ。これにはエネルギー保存の法則ってものがない。
・なんにもない所からバスターマシンを出現させることが出来る。
岡田さん「それって、なんか分かんない無限力みたいなものだよね?」
佐藤店長「それは4話で全部解決するんです!」
・でも、解決していなかったよね。
・1話を見てトップ2に足りないものを考える。
・鶴巻監督はトップの正統な続編にするつもりである。
○トップ2打ち合わせ(その4) 最後に帰ってくる。
・設定を見ると、ノノって主人公はノノリリになる。彼女は最後に帰ってくる。設定上ノノリリ=ノリコってのは隠しているけど等々。
・宇宙怪獣で地球に攻めてくるってのは実は前時代のバスターマシンで逆に地球を守っている立場で。
→ふんふん、了解了解。基本的に決まっていることはこれね。
・トップを継承するするもの、世界観に不条理が多いけどSFが弱いなあ。
→こういうのは整合性が後回しにされるものだし。
・SFアニメ的なリアリティがある、それをトップに近づけるにはどうすればいいのか?
余談:
ここら辺で唐突に区切ります。前にも書きましたけどメモ10枚区切りなんですよ。
っちゅーか、いっぺんにレポってもいいんですが、本当のところは「レポート_急+?」を作りたいだけなんです。
もう書いているんで明日にはアップしまーす、多分。
●謎の円盤UFO
※注 そういえば、この中の彼女が”ikon”綾波レイ氏の元ネタの一つなんですよね。
しかし、ナレーションがジャストだなあ。奇麗。
- 出版社/メーカー: SEGA
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: DVD