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 ここから本文エリア 毒性弱い鳥インフルエンザ感染繰り返すと強毒化 鳥取大2008年04月03日 茨城県の養鶏場で05年に発生した非常に毒性の弱い高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N2型)を、ヒヨコに感染させて増やし、別のヒヨコに感染させ続けると、毒性の強いウイルスに変化することを、鳥取大学農学部の伊藤寿啓(とし・ひろ)教授(獣医公衆衛生学)らのグループが突き止めた。感染を繰り返すと強毒化することは指摘されてきたが、実験で確認されたのは初めて。 伊藤教授らは、茨城県の養鶏場から採取したウイルスを、ヒヨコの肺に入れて感染させ、増えたウイルスを別のヒヨコの肺に入れるという実験を17回、さらにそのウイルスを脳に入れる実験を11回続けた。その後、そのウイルスをニワトリ8羽に注射すると、2日以内にすべて死んだため、強毒化したと判断した。H5N2型を同様に注射しても死ななかった。 農水省によると、茨城県の問題で処分されたのは41養鶏場の約580万羽。弱毒性ウイルスで、強毒化するかどうかわからなかったため、処分に対する批判も出ていた。 伊藤教授は「あくまでも実験室のデータだが、強毒化の可能性が出た。発生した場合は一日も早く封じ込めをしないといけない」と話した。今後、遺伝子の変化などを調べ、H5N2型がいかに強毒化したか仕組みを探るという。  |