「同時代」の宇佐見英治特集に掲載された柚木沙弥郎さんの文章を捜していて、偶然次の宇佐見英治さんの文章を見つけました。 夢見ることは確かに美しいことです。その夢がささやかであれ、壮大であれ、それは生きてゆくことの原動力なのですから。しかしまた見ることもまたもうひとつの大切な力です。多くの夢は砂漠の蜃気楼が消えると萎れてゆきます。ただ少数の純粋な夢だけが幻滅によってますます強く燃えあがります。なぜなら純粋な夢は見ることによってますます透明さを増し、夢見ることによって見る力もまた一層強くなるからです。 見るとは耐えること、夢見るとは待つことといってもいいかもしれません。光ほのかなれども、ドン・キホーテとパンサを思うとそんな言葉が浮かびます。 (「樹と詩人」所収) |
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