子供というものは不安な時ほど、かえってはしゃいで平気なふりをするものです。それはその現実を受けとめるだけの強さがないし、相手を信じないと生きていけないからです。 私はとても不安だった時、中野京子さんが「となりのトトロ」についてブログにそう書かれていたので、この方はとても優しい方なのだと思いました。その後、週刊ブックレビューに出演された時も、学者さんらしい頭の良い真面目で誠実な方という印象を受けました。 ところがいつの間にか、それこそ疲れていつ寝入ったかわからないというのに似て、気づかぬうちにすっと映画の中へ入り込んでいて、しかもサツキに自分を重ねていた。メイが「お姉ちゃん」と呼ぶたび、返事しかねないほど感情移入してしまっていた。 というのも、わたしにも年の離れた妹がいて、両親から「あなたはお姉ちゃんなんだから」といわれて育ち、どこへ行くにも妹を連れ歩き、自然にその世話をしてきたからだ。 おまけにサツキと近い年頃に、母親が入院して心細かったという体験までしている。そういうときの子どもは、ふだんより少しテンションが高い、というか、明るくふるまうものなのだ。 心配ごとなど気にしてなんかいないというように、そもそも心配ごとなど全くないかのように、明るく楽しそうにふるまう。まさにこのふたりの姉妹みたいに。 でももちろん心の奥底では不安でしかたがない。いつだって最悪のことを心配している。だから母親の一時退院が数日ずれこんだだけで、それまで抑えていたものがいっきょに噴き出てしまう。 サツキがお姉ちゃんであることを忘れて泣きじゃくった時、わたしも昔にもどって嗚咽せずにはおれなかった。一方で、姉の涙をみた妹が、逆に涙もみせずにひとりで行動し始めたのを、非常な感慨を持って見た。ほんとうにこのとおりなのだもの。 そしてこのような姉妹のありようを、映画の両親もきちんと認めてくれていることが、我が事のように嬉しかった。 あー、そうであったよなあ。子どもというのも、これはこれでけっこう人生と真剣に戦っていたのだった、と見終えてかつての自分が愛おしかったし、生きていることの素晴らしさを素直に感じられたのでした。 > −−というわけで、今やわたしも宮崎アニメのファンです♪ http://blog.goo.ne.jp/hanatumi2006/e/f4e63f050dda9f3631e3bf23126c505e ←中野京子の「花つむ人の部屋」 私は以前インターネットで、女性の学者さんから児童文学や魔女のことなどについて御教示を受けたことがありましが、どの方も本当に親切で偉ぶったところなどない方ばかりでした。 |
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