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症状応じ搬送先通知

2009年05月02日

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  ◆きょうから 県、照会減狙う

   ◎どうなる医療・病院◎

 救急患者の搬送時に、消防機関が受け入れ先の医療機関を探すシステムが2日から変更される。県が仲介して、患者の重篤な症状に応じた医療機関の搬送先リストを作り、事前に消防に伝えておく。病院への無駄な照会回数を減らして、搬送時間を短くする狙い。3月に生駒市で意識を失って倒れた男性が六つの医療機関に受け入れを断られ、死亡した問題を教訓に見直した。

 これまでは、救急告示病院や2次輪番病院など県内の49病院が、オンライン上にある「県救急医療情報システム」に、一般救急、小児科、産婦人科など診療科別に「○(可能)」「×(不可)」などと診察可否状況を入力し、消防が閲覧する仕組みだった。だが、「心肺停止」など個別の症状にあわせた診察可否まではわからず、消防が「○」の病院に連絡しても受け入れを断られるケースも少なくなかった。

 こうした事態を防ぐため、2日からは従来の診療科別の診察可否に加えて、「心肺停止」「心筋梗塞(・・こう・そく)」「脳卒中」「急性腹症」「外傷」の5項目を追加した。そのうえで各医療機関は毎週木曜までに、土曜から翌週の日曜までの宿日直体制に応じた診察可否の状況を県にファクスかメールで伝え、県地域医療連携課の職員4人が搬送先リストを作成。金曜中に消防にファクスかメールで伝えることにした。

 荒井正吾知事は「これまでは県の役割が明確でなかったので、県が乗り出して間に入らないといけないと考えた」と説明する。暫定的な措置として当面は県職員の手作業となるが、今秋には病院が直接オンライン上のシステムに入力し、県がチェックする体制にする。

 また、県は救急車を呼ぶかどうか一般の人が医師や看護師に相談できる「救急安心センター」を今秋にも設置する。救急相談員2人、医師、看護師、消防経験者各1人の計5人を配置し、県民が「#7119」に電話すると24時間体制で相談に応じる仕組み。2次救急病院に殺到している軽症患者を地域の診療所などに振り分けて、病院の満床状態を解消するのが狙い。

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