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反体制貫き、問題提起し続けた人生

 日本ロック界のカリスマ・忌野清志郎さんが2日、亡くなった。時には放送禁止騒動、発売中止騒動など起こしたが、反体制を貫き、さまざまな問題を社会に提起し続ける生涯だった。

 1980年、RCサクセションでリリースしたシングル「ボスしけてるぜ」では上司に給料を上げてもらえず「やる気がしねえ」と仕事をサボる様を描き、企業から抗議が殺到した。

 原子力発電への疑問もストレートに歌にした。88年に東芝EMIから発売予定だったRCサクセションのアルバム「COVERS」に収録された「ラブ・ミー・テンダー」では♪放射能はいらねえ 牛乳を飲みてえ…などと原発を揶揄(やゆ)。

 親会社の東芝が原発施設に関係が深いこともあり、急きょ発売が中止になったことを受け、レコード会社を「東の芝の〜」とおちょくった。その後、レコード会社を替えて、アルバムは世に出た。

 「国旗・国家法」が国会で成立した99年にはアルバムにパンク風にアレンジした「君が代」を収録したアルバム「冬の十字架」に収録。発売元のポリドールが発売を中止し、その後インディーズから発売する騒ぎとなった。当時、忌野は「こんな『君が代』もありますよ、ということをみんなに知らせたかった。どこに問題があるのか分かりません」などとメッセージを発していた。

 2002年にはロックイベントに「アルカイダーズ」として出演。常に弱者の側に立ち、批判も説教くさくなく、ユーモラスに展開した。反骨の中にどこか温かみがあった。

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