小関「格差マッチ」制しV2/ボクシング
<プロボクシング:WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦>◇2日◇東京・後楽園ホール
WBC女子世界アトム級王者小関桃(26=青木)が「格差マッチ」を制し、2度目の防衛に成功した。挑戦者の同級1位池山直(39=西日本協会預かり)に3-0で判定勝ち。月わずか5万円で生活する極貧王者が、公務員で安定収入の挑戦者を退けた。小関の戦績は、JBC認可後で5戦全勝(2KO)。
小刻みに上半身を揺らしながら、小関が右ジャブを次々とヒットした。8回以降、果敢に接近戦を挑む池山にも、動じることはない。軽やかなステップから、逃げ際に左右フックを当てた。決定打はないが、それも長丁場を見越した作戦通り。「ベルトが戻ってきてホッとした気持ち」と、リング上で安堵(あんど)の表情を見せた。
負けられない理由があった。公務員で収入が安定している池山に対し、小関は月わずか5万円で生活する。すべてをボクシングに注ぎ込んできた結果だ。収入源は、東京・武蔵野市の介護施設でのバイト。1日4時間、時給840円で配膳(はいぜん)業務をしている。それも、栄養の研究に役立つという理由からだ。「かわいいとか、きれいになりたいとかに興味はない。あるのは強くなりたいという気持ちだけ」。器用に二足のわらじを履く挑戦者は、闘志をかきたてるには格好の相手だった。
金にも名誉にも執着しない。ジムへはジャージーで通う。故障で通話ができなくなった携帯電話も、そのまま持っている。食べ物と寝る場所、それにジムの月謝と交通費があればいい。この試合のファイトマネーも、「パラサイト(寄生)させてもらっているから」と、家族に封筒ごと渡す予定だ。興味があるのは、次の防衛戦の相手だけ。「相手を断ったことも、選んだこともない。『ハイ』と言って戦うのがボクサーです」。生粋の戦士が、目を輝かせて言った。【森本隆】
[2009年5月3日8時4分 紙面から]
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