「休みもったいない」マスク出国の人、人、人、人、人、人、人
新型インフルエンザの感染対策で、マスクを着用した旅行客が目立つ成田空港
Photo By 共同 |
新型インフルエンザの感染が世界的に拡大する中、2日、ゴールデンウイークを海外で過ごす人たちの出国ラッシュが成田空港でピークを迎えた。韓国でもこの日、感染が初めて確認されるなどアジアでも不安が広がっているが、マスク姿の旅行者たちは「怖いけど、今さらやめられない」と機内に乗り込んだ。
新型インフルエンザに対する厳戒態勢が続く成田空港出発ロビーでは、マスクをつけた家族連れなどの姿が目立った。
第1ターミナルではサーモグラフィーを載せたカートを押す防護服姿の検疫官6〜7人が、渡航客の間を足早に通り抜けるなど、例年とは違う物々しい雰囲気となった。
成田国際空港会社によると、この日だけで約4万6000人が海外へ。燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の値下がりや円高傾向で、韓国やグアムなどの比較的“安近”地域が人気という。新型インフルエンザによる影響も心配されたが、目立った予約便キャンセルはほとんどなく、大手旅行会社も「企業などが出張や旅行を中止する動きはあるが、現段階では影響は限定的」と胸をなでおろしている。
しかし、出発ロビーに集まった渡航客たちは複雑な表情。ツアーでスペインを訪れる茨城県笠間市の会社役員佐藤怜(さとし)さん(75)は「心配はあるが、仕事もあるので長く休めず、今さらやめられない」と話した。ほかにも「怖いけど、せっかくの休みがもったいない」(20代女性会社員)と神妙な表情。
また、友人2人と初の感染者が確認された韓国へ向かう都内在住の会社員の杉崎亮太さん(28)は「特に備えはしていませんが、怖いというよりも楽しみ。逆にインフルエンザウイルスを持ち帰らないようにしたい」。中には「何でこんなにマスクをしている人が多いの?」と不思議そうに話す30代の米国人男性もいた。
ドイツとスイスに向かう横浜市青葉区の会社員三津原博さん(60)は「旅行中止が相次げば、景気を冷やすのでは」と経済への影響を心配していた。帰国のピークは6日になる見通し。
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