エンジン全開の厚労相、勢い空回り気味?
5月1日21時33分配信 産経新聞
拡大写真 |
会見する舛添厚労相=1日未明(中鉢久美子撮影)(写真:産経新聞) |
「国民が一丸となって協力すれば、この見えない敵であるウイルスとの戦いに必ず勝てる。ぜひオールジャパンで全員の力を合わせてウイルスと戦いたい」
1日午前の閣議後会見。テンションが高めの舛添氏は新型インフルエンザ対策を勇ましい勝負事になぞらえ、全力で取り組む姿勢を強調した。
会見で舛添氏は、横浜市の高校生がまず病院を受診したために感染拡大の危険性があったことを取り上げ、「インフルエンザの症状があった場合は病院には行かないで、保健所や相談センターに電話してほしい」と何度も繰り返した。
こうした場面はテレビで取り上げられることが多く、厚労省幹部は「こういう非常事態の際にはとても助かる」と上々の評価だ。
ただ、舛添氏の行動がやや脱線気味となると、周囲がついていけないケースもある。
舛添氏は新型インフルエンザ問題について「私から国民に一刻も早く正確な情報を伝える」としており、重大事案は、舛添氏が発表するのが鉄則だからだ。
そうなると事務方も緊張する。1日未明の記者会見でも、すでに準備された報道発表資料を早く見たい報道陣と、「大臣が来るまではダメ」と必死で粘る事務方がバトルを繰り広げた。
その会見では、もう一つの波乱があった。
舛添氏が感染疑い患者が発生した横浜市と長時間電話が通じなかったことについて、横浜市を「極めて遺憾」とこき下ろしたためだ。
会見を聞いていた厚労省側に緊張が走った。横浜市側にどんな事情があったかを把握しないままの「遺憾表明」は強すぎないか−。危機感を覚えた厚労省幹部は、広報室職員に「早く会見をやめさせろ」と指示を飛ばしたほどだった。
実際には横浜市の担当職員は報道機関などの問い合わせ対応に追われており、舛添氏の怒りは「的はずれ」な面もあったようだ。同市の中田市長は会見で「(大臣は)国民に落ち着くように呼び掛けているが、大臣自身が落ち着いた方がいい。ちょっとカリカリしすぎでは」と不快感をあらわにした。
結局、同日夕には、横浜市のケースが新型インフルエンザではないことが判明。厚労省にもホッとした空気が流れたが、その発表の記者会見は舛添氏ではなく、なぜか厚労省の担当室長だった。
厚労省内からは「大臣は自分に都合の悪い話になると表に出てこない」(中堅職員)との声も聞こえている。(桑原雄尚)
【関連記事】
・ 新型インフル 横浜知事批判「厚労相の勇み足」
・ 「危機管理なってない」 舛添厚労相が横浜市に怒り
・ 横浜の高校生、新型インフル否定 厚労省
・ 新型インフル株価も直撃…上昇・下落率上位20銘柄
・ 新型インフルの米感染者、20州で130人
最終更新:5月1日21時46分
Yahoo!ニュース関連記事
- 厚労相、脱線注意? 新型インフル“熱い”会見、批判も(産経新聞) 5月 2日 7時56分
- エンジン全開の厚労相、勢い空回り気味?[photo](産経新聞) 5月 1日21時33分
ソーシャルブックマークへ投稿 0件
この話題に関するブログ 3件
関連トピックス
主なニュースサイトで 2009年新型インフルエンザA(H1N1型) の記事を読む
この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます
- 横浜の高校生「新型に感染していない」(産経新聞) 1日(金)19時14分
- 連休渋滞いかに避ける?ETC割引を逆手の妙手発見[photo](読売新聞) 1日(金)14時33分
- タスポが“失敗”した理由 普及進まず[photo](産経新聞) 4月26日(日)19時58分