県は2月に改定した行動計画で、発生のピーク時には1日当たりの外来患者が4700人、新規入院患者が110人に達し、1日当たり最大700床が必要と試算。入院施設として、感染症患者の受け入れ施設がある感染症指定医療機関の7病院と、協力医療機関として17病院を指定している。 24病院のうち現在、入院受け入れの準備が整っているのは県立中央や市立甲府、韮崎など8病院。国立甲府、塩川、山梨赤十字など11病院は態勢が整わず、甲陽や都留など5病院は「未定」としている。 受け入れができない理由として、病院側は「満床で収容できない」(塩川)、「内科医が不足している」(市川三郷)、「使用していない隔離用の病床はあるが、対応できる医療スタッフが少ない」(国立甲府)などを挙げる。 現時点で確保できる病床数は77床で、各病院が増床できるベッド数を合わせても計画より約460床足りない。 病床確保に向け、県は行動計画で定める「国内発生早期(県内発生含む)」段階への移行を見据え、各病院への要請を始めた。今後は新型インフルエンザ患者の中でも重症者の入院を優先させることや、必要に応じてほかの入院患者に転院してもらうなどの対応を求めていくという。 一方、緊急時の医療スタッフの確保策として、県は県看護協会に対し、看護資格を持ちながら現在は医療機関に勤務していない看護師に緊急時の要員として加わってもらうよう、協力を要請した。 県新型インフルエンザ対策専任広報担当の水谷均県福祉保健部参事は「感染拡大のスピードは想像以上に速く、最悪の状況を考えて準備する必要がある。状況を注視しながら引き続き各病院に協力を求めていく」としている。
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