麻生太郎首相は9日の衆院予算委員会で、景気の現状について「他国に比べれば傷は浅い」との考えを示した。首相は8日の福井県あわら市の講演でも、「きちっとした対策をとれば、今回の不況が大騒ぎするようなものになるとはとても思えない」などと語っており、野党からは「認識が甘い」との批判が噴出している。
首相は8日の講演で、「トヨタ・日産・ホンダがつぶれる気配はない。しかし(米国の)ゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラーが危ないという話だ」などと強調。9日の同委で野党から攻撃されても、「日本は銀行の倒産はなく、政府の資金がないと3月に倒産するような自動車会社もない」と言い切った。
これに対し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は9日の講演で「米国が落ち込めば日本も大きな影響を受ける。国民の声が政治家に届かなくなっている」と批判した。【仙石恭】
毎日新聞 2009年2月9日 19時30分(最終更新 2月9日 19時37分)